「クヒオ大佐」

女を騙す男の映画。しかもそれを堺雅人が演じる。対するは松雪泰子満島ひかり中村優子(よく知らないけど)という強力な婦人…いや、布陣。そして監督が『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の吉田大八。これはかなりの期待ができるぞ!と思ってたんだけど、うーん、なんかスッキリしない感じ。役者陣は全員すごくいい演技をしていて、奇妙な事件に当時の社会情勢がうまく織り込んであったんだけど、、、。求めていたものとあまりに違いすぎて受け入れがたいし、ちょっと際物すぎると思う。

何よりあれだけ魅力的な関根勤…いや堺雅人の化けの皮が剥がれ滑稽に見えてしまうのが、見苦しいというか何というか。あまり見たくはないものだった。少年時代の映像と話してる内容が食い違っているシーンなんかはとっても良かっただけに、最後までピエロを演じてほしかったなぁ。某国を揶揄するような台詞も不要に感じた。まぁでも背中での演技は邦画では久しぶりに観た気がする。それでも尽くす女性の気持ちが理解できないように、いまいちこの映画が何を伝えたいのかわからない。(★★☆)