リトル・スミス・サンシャイン「ベスト・キッド」

小学校も低学年の頃、テレビでジャッキーのスピーディでコミカルな動きを目撃すると体を動かさずにはいられなかった。ベッドを飛び跳ねたり、部屋の障子をアタタタタと突き破ったり、調子に乗ると固い壁をぶん殴ったりもして、翌日にはアイタタタと鉛筆を握れなかった。

この程度の経験なら、ジャッキーや映画にあまり興味がない人でもあるハズ。ジャッキーはボク世代にとって、シュワちゃんであり、インディ・ジョーンズであり、ジブリでもあったのだ。そんな誰もが知っている大スターがカンフーの老師父を演じ、弟子となる主人公の少年をウィル・スミスの息子、ジェイデン・スミスが演じたのが本作品。

物語は『気になる女の子に良いトコ見せたい!』『気に入らないアイツをぶっ飛ばしたい!』といった男の子マインドの必需品を原動力に進められる。堅実にゆっくりと描かれる様子はまるで空手の型のようだとは言い過ぎかもしれないが、各所見せ場には『親にとって子どもの成長は嬉しい』といった当たり前の感動がぶちこまれる。

母に口酸っぱく言われていた『ジャケットを脱ぎっぱなしにするクセ』を修行により直してしまうジェイデンくん。師の役者としてのセールスポイントであった『戦闘中のコミカルな表情』で観客を魅了するジェイデンくん。おまけには『ラップ』まで披露してみせるジェイデンくんの姿は紛れもなくベスト・キッド。バーサス障子で腕をならしていたぼくの目にとてつもなくカッコよく映ったのであった。

ベスト・キッド・ジェイデンくんのドレッドヘアーには御利益あり。ああ、うらやましい。(★★★★)