崖の上のポニョーン『トロン:レガシー』

結構期待してたので意気込んで初日に見て参りました。82年につくられた旧版ははじめて映画界にコンピューターグラフィックスが用いられたものだそうで、当時としては斬新だったとかそうじゃないとか。

本作にも現実世界は2D映像、バーチャル世界は3D映像、と、ただ迫力や映像の美しさのために3Dにするのではなく、物語の展開に合わせて映像が使い分けられていてそこは面白かったと思います。ただ、両方の世界を行き来したりしないんであまり効果はなかったんですけどね・・・。

それでもかっこいいなと思ったのは、バイクや飛行機が通ったあとにニョーンと光の跡が残っていて、それが物理的な攻撃になる「ライト・サクセス」というもの。見ていてあのニョーンが一体どこで途切れてるのか?が気になって仕方ありませんでした。それにしても、未知の映像体験!と謳うものとしては完全にトホホ作品だと思うし、お話もクリストファー・ノーランなら5歳くらいで考えてそうなもの。それでもこの映画にはきらいになれない何かがあって、こりゃなんだと考えていたら前述のライト・サクセスなるものと繋がった?ので書いておきます。ニョーン。

副題にある「レガシー」とは「遺産」という意味ですが、この映画はSF映画を語る上で避けては通れない作品のほとんどを踏襲していて、『スター・ウォーズ』『マトリックス』『ブレード・ランナー』のオンパレード。鑑賞中ずっとこれらの作品が頭から離れないため、結果として「〜〜っぽい」という楽しみ方しかできない『トロン:レガシー』という作品自体の魅力がぼやけたものになってしまった。映画が残したライト・サクセスという名の遺産にぶち当たり、派手に砕け散った作品。そんな印象でありました。

3Dブームって作り手側が勝手にやり始めたもんだと思うけど、観客を付き合わせているって感覚はあるんだろうか?まあでもこの映画好きです。次回作あるなら、リンジー・ローハンレディ・ガガといった風貌のナビゲーター役ジェム嬢をたくさん登場させてください。あの絶妙な肉付きのお尻が素晴らしかったです。2Dとか3Dとか四の五の言わず、見せるのはおケツで十分ですよ。ニョーン。(★★★)