世界一受けたい指令『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』感想。

マッドマックスから始まったらしい「続編映画最新作は超傑作!」の流れが、起動というか奇動してたターミネーター最新作でちょっと足踏みするまで続いておりますが、しかしまぁ20年30年と年季の入っているシリーズがこうも元気が良いとは。マッドマックスにもジュラシックパークにもミッションインポッシブルにも特別思い入れがあったわけではないけれど「とりあえず見る」を続けていたわけで、何かここにきてイキナリ「最高!」とか言うのも申し訳ない気がしないでもないんですけど、そう思っちゃったもんは仕方がない。

一見コメディリリーフに見えるベンジーが実はいちばんイーサン・ハントへの想いが強くて、今回もっとも危険な表舞台に立たされるのが彼というのがまず楽しい。ブラントは含み笑いのシーンが最高で長官の許可は1度もあげないでおいてほしいなと思わせてくれるし、ルーサーの言葉はスッキリさせてくれるから見ていて安心感がある。知力・体力・時の運すべてを兼ね備えたイーサン・ハントはもう心停止からいつ回復するのかと見てるだけで楽しい超人になっている。このうち誰1人として欠けてほしくないと心底思うから、ストーリー展開にハラハラドキドキして楽しめるんですよね。ボタンを押すだけで開くところまでベンジーにやってもらってハントのオープンザドア!に反応してポチッとやってみたい。

敵か味方か果たして的な存在であるイルサは、峰不二子であり007シリーズにおけるボンドガールな感じ。シリーズ初登板で周囲に溶け込むどころかイーサン・ハントとのコンビネーションアクションをこなしていて素晴らしい。「会うの初めてだよね?」の一言は突然スクリーンから飛び出してくるセリフで、ああいうことをしれーっと出来ちゃうのがトム・クルーズのこのシリーズの魅力だ。しかし、今回5作目にして長年スパイやってると陥るアイデンティティークライシスみたいなことが描かれていたけど、イーサン・ハントはそのへんどう捉えているんだろう。自身にクソ真面目に向き合う007を「影」だとすれば、自分なんか置いといて仲間を救う!目の前の危機を回避する!に集中するM:Iシリーズは「陽」なのか。より一層キャラクターと世界観が味わい深くなったけれど、その批評性にとらわれることないバランス感覚がトム・クルーズトム・クルーズたるところなのかもしれない。彼の運転で道なき道をドライブしたい。

子どもの頃、ジャッキーとかシュワちゃんとか物凄い奴らを日曜洋画劇場とかで見終えると、何だか自分も強くなったような高揚感を味わったものだけれど、同じ感覚を映画館で久しぶりに味わわせてもらえました。淀川長治のHulu手法でもイイのでトム・クルーズには永遠にこのシリーズに出演してもらいたい。劇場の入場特典はポストカードではなく、かけるとイーサン・ハントからキミにはこれからある映画を見てもらうと任務を与えられるメガネにするべきだった。最高に楽しい映画をありがとう。