「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」

不沈の名作「タイタニック」のカップルが、1950年代のアメリカで夫婦生活を送るとこうなりますよ〜!というふざけたノリの映画ではない。本当に辛辣で苦しい物語でした。これは久しぶりに精神的・痛恨の一撃。

夫婦となったフランクとエイプリルは理想と現実の狭間で苦しみます。葛藤します。そして破滅します。十分恵まれた環境にありながら、二人の心は空虚です。何かが壊れている仲直り朝食シーンの雰囲気は修羅場というか何というか、凄まじい空気感でした。

ディカプリオは相変わらず力が入りすぎに見えましたが、フランクという男の器の小ささが表現できているようで功を奏しているようにも。ケイト・ウィンスレットの超絶演技はもはや狂気の沙汰。

最も印象に残ったのはオスカーノミネートのマイケル・シャノンが放った衝撃的な一言。あの強烈な捨て台詞の瞬間、5〜6席くらい隣にいたおじさんが何と「うるさい!」と声を出して一喝(笑)。気持ちはわかりますが、おじさんもうるさい!(笑)。映画もその後、一気に崩れ落ち、なかなか殺伐とした雰囲気が味わえました(苦笑)。

ラストシーンは夫婦の「末路」とでも言いましょうか。鑑賞後に「女の子と観なくて良かった!」と心から思える映画でした。(★★★★)