「ワルキューレ」

ワルキューレ」とは戦死者の魂を選定する北欧神話に登場する半神の意らしい。名作「地獄の黙示録」で使用された曲「ワルキューレの騎行」が有名。ゲームにも「ヴァルキリープロファイル」やら何やらがあり、俺も馴染み深いものだ。

「実話」をベースにしているので、本当に淡々と「実録」といった趣で物語が進行する。トム・クルーズだからって派手なノリは一切ない。トムはなかなかの風貌だが、如何せん風格までは無い気がする。

淡々としているなかで、注目は豪華出演陣。何かの映画で観たことあるおじいちゃんだらけ。カメラもそれを強調するようにアップばかりなのがやや気に掛かった。妻役で「ブラックブック」のカリス・ファン・ハウテンが出ていたのは嬉しいサプライズ。

だけど、「失敗」という結果を知っている分、音楽などでサスペンス調の演出をされてもドキドキ感はあまりないわけで。結果以上に驚ける内容が無かったのが残念。ま、自分の不勉強が原因だと思うけど。

結局、ヒトラーに怯え続けたことが暗殺計画の失敗を招いてしまったのだけど、あの時代のドイツ人=悪人というイメージはなくなりました。失った右手で敬礼するトムが印象的。(★★★)