「ぼくと1ルピーの神様」

アカデミー賞8部門を獲得したダニー・ボイル監督の新作「スラムドッグ$ミリオネア」の原作を読んだ。1ヶ月くらい前から読み始めて、映画公開までに読めばいいや〜とのんびり読んでいたら、公開前も良いところの今日、公開前日に読み終わった。

んで、感想はと言うと、もちろん面白かったです。過去の話からクイズ、と構成がわかりやすく、語り口が主人公なので読みやすい。悲劇的な主人公の過去話でのストレスが、クイズ場面で一気に払拭されるカタルシスがたまらん。いつの間にか「どれが問題になるのか?」と考えながら読むほどのめり込んでしまった。凄くわかりやすいからすぐわかるけど。

奇跡としか言いようのない偶然で繋がりあって、とても綺麗にまとまる。これは映画にバッチリはまる面白い物語なんじゃないかなーと思う。それに、どうやら映画は原作とは違うラストらしいのでかなり楽しみ。

とにかく偶然に偶然が重なっていく展開で、主人公と一緒にビックリできる面白いストーリーだった。時折、主人公が見せる「でも僕は笑わない」みたいな諦観した感じもツボ。そうなって当然の経験をしてるんだけど。あと、章の最後の1文がビシッと決まってて思わずニヤリとしてしまう。「史上初の10億ルピーが賭けられた1ルピーコイン」とか上手いこと言っちゃうのも面白い。

いよいよ明日から公開の「スラムドッグ$ミリオネア」。なんだかダニー・ボイル監督がこの物語を映画化できたって話の裏にも、数々の奇跡がありそうな感じがするなぁ。楽しみ。