「セブンティーン・アゲイン」

ハイスクール・ミュージカル」は大好きなシリーズなので、彼らが出ている映画はなるべく観てみようと思っている。んでこの映画。全米ティーンを夢中にさせているザック・エフロンが選んだ役は、優しくてイケメンで運動神経抜群。更に頼れる兄貴タイプというスーパー高校生マイク・オドネル。トロイと同じじゃん!と思うなかれ、見た目は17歳でも中身は37歳という本当にスーパーな高校生なのだ。

老若男女を虜にできそうなこの設定。アメリカでは上々の成績みたいだけど、日本では何故かサッパリのようだ。ザック・エフロンはあんまり人気ないのか?うーん、もっと持て囃されていいと思うんだけどなー。あ、映画のことを書こう。まず最初に思ったのは、冒頭のサービスダンスが終わり、37歳のマイクが映し出されたとき「一体何を経験したらそこまで落ちぶれるのか?」という恐怖に似た感情だ(苦笑)ザックほどのイケメンも20年間社会に揉まれるとあぁなるのか…と絶望した。

謎の魔法により娘と同学年の高校生になった父が、その人生経験の豊富さで女子たちを虜にし、息子を初めとする男子からも信頼を得ていく。第二の青春を謳歌すると同時に、子供たちの知られざる姿を目の当たりにし、父親としての不甲斐なさを噛み締める。この辺の話を丁寧に描いていた。面倒だったのは離婚審理くらいかなー。印象的だったのは冒頭と同じ道を選びながら「次はお前の番だ」と襷を受け渡すラスト。あれはなかなかグッときた。でもこの映画の醍醐味はこの話とは別にあるのです。

マイクを転入させるために偽の父親に扮した金持ちオタク・ネッド。SFやゲームのマニアである独身男が、あろうことか高校の校長先生をロックオン。あれよあれよと校長先生に迫っていく。この顛末が面白すぎてメインパートへの興味が薄れてしまった。自分自身SWやROTRの「マニア」だと公言できるほどの知識はないが、「ワインを味わうダースベイダー」と「ガンダルフは白」は笑えた。「フォースが強くて」系の会話はSW好きなら誰もがしたことあるはず。

両方ともなかなか面白い話なので、もう少し長尺で観たかったかもしれない。とは言え、今年に入ってラブコメモノの大当たりがまだ無かったので、近親相姦から逃げ続けるザックの表情などもあり、なかなか貴重な一本。エンドロールも微笑ましい演出でありました。(★★★☆)