「ターミネーター4」

試写会にて。過剰な期待ができる製作陣ではなかったし、アメリカでの興行成績は「ターミネーター展」ってのがちょっぴりジョークにも思えるアレレな結果だった。しかし、だ。これはそれほど悲観的になるものじゃない。もちろんジェームズ・キャメロンならこれを遙かに上回る傑作をつくるんだろうし、他にもうまくやりそうな人材はいる。けど決して失敗作だと切り捨てられない何というかマックGの努力と愛情が伝わってきたよ。

先に不満から書いておく。予告編から思っていたけど、まず物語の起点を「“審判の日”から10年後」としたのが疑問だ。1と2を踏まえて何故阻止できなかったのか?スカイネットはどうやって勢力を伸ばしたのか?そのへんが既定のものになっていて眉をひそめてしまった。T2の魅力でもあった「機械と人間」に焦点を当てたのはイイんだけどあまりに短すぎる。あーゆーのは最初からジワジワ描いておいてラストの共闘で爆発させるもの。いまいち肩透かしな感じだった。あとT1だか2だかで少しだけ未来のシーンがあったと思うんだけど、あのシーンではT-600が何体も行進してた。あーゆー物量で魅せるシーンが無かったのが残念。相手取るのは必ず1体。正直、巨大ロボとかバイクロボとかイモムシロボとかは出さなくてよかった。リスト1番のカイルが生かされている理由も不明瞭だし妊娠してるのも子供も…と、不満は尽きないんだけど、俺はこの新三部作嫌いじゃない。

嫌いになれない理由としてまず1つ。「これはターミネーターだ!」と思わせるシーンがとにかく多い!過去のシーンを思い起こさせる場面が本当に多かった。ジョンが扉を開けるとこなんか「こいつはジョン・コナーだ!」と思わせるし、声を変化させられたり凍ったり最後の工場とかもうT2祭り。しかもかなり自然に組み込まれてるのに愛情を感じたね。物語はかなりカットしたのかやや急ぎ足でご都合主義がちらほら。これはさすがにいかんね。明らかに時間が足りてない感じがした。

嫌いになれない理由2つ目。これは俺がアメリカに限らず映画自体に求めているものなんだけど。「カワイイ女性がいるかどうか!!」これ。この条件を存分に満たしていたので嫌いにはなれないのだよ。その女性とはヒロイン役(違う?)ロン・ハワードの娘ブライス・ダラス・ハワード!「ヴィレッジ」「レディ・イン・ザ・ウォーター」のときは何とも思わなかったけど「スパイダーマン3」ではキルスティン・ダンスト(顔好き)以上に目を奪われ、本作で完全に惚れた。エミリー・ブラントズーイー・デシャネルに続きストライク女優の仲間入りです。

最後のモノローグもあそこで初めて「これを聞いてる君たちも〜」ってやってくれたら鳥肌もんだったんだけどな〜。まぁ、あーしてくれこーしてくれと思ってしまうのは、やっぱジェームズ・キャメロンの2作が偉大すぎるせいで、ちょっと色眼鏡で見過ぎかもしれない。俺が感じた愛情がホンモノならT5で巻き返してくれるはず。(★★★)