「ウルトラミラクルラブストーリー」

ノリにノッてる松山ケンイチ麻生久美子が主演の映画、という情報しか知らずに観に行きました。なんつっても強烈な題名に惹かれまくったのです。昨年の「人のセックスに笑うな」の永作博美に続き、まさか麻生久美子まで…!?松ケン恐るべし!!といった予想は見事に裏切られ、鑑賞後に「な、な、なんじゃこりゃー???」とクエスチョンマークが頭上に大点灯!!久しぶりに考えても考えても考えてもわからない映画に出くわした。あらすじとかの事前知識はいらないけど心の準備は必要だったかも。「邦画ブーム」のせいでこーゆーのもあること忘れてたわー。

まずどうだったのかを一言で言えば「わからない」だ。でも映画って「おもしろい」「つまらない」で計れてしまうものは結局のところ「すばらしい」にはならないと思うし、「わからない」ものは時として「すばらしい」に「進化」する可能性を秘めてるよね。リンチ作品みたく映像からしてわからないんじゃなく、登場人物の「言動・行動」が理解できないんだ。理解できないんだけど、意味がありそうでなさそうだから興味が沸いて目が離せない。「町子先生の進化論」あたりから様子が変わって、首なしARATAからはもう真っ直ぐ暴走!といった感じ。

横浜聡子監督は初見なんだけど物凄く興味が沸きました。監督の前作「ジャーマン+雨」を観たら変わるかもしれないけど(しかし奇天烈な題名だな)作風としては「河瀬直美山下敦弘÷2」といったと感じの印象。松山ケンイチはまさしく彼にしかできないような役柄で、奇を衒うを通り越して愚の骨頂みたいになってた。ちょっと笑いが入ってたけどアドリブが多いのかな。麻生久美子は先生役ってだけで萌えです。つーか本当に可愛いよな。確か初めて観た作品は「リング0」だったかなー。最近本当に魅力的になりました。

なんやかんや言っても、熊がペロリ…。うーん、考えれば考えるほど理解できない。まず津軽弁がなに喋ってんだかちょこちょこわかんねーし!うーむ。あのラジカセを天からの声とすれば、町子先生があれを聞いたときに流れた陽人の声はあの世からの声?ん?それがなんかあんの?陽人が町子先生にアレをあげたのは、要の頭を探してたから?んで熊がペロリを見て、霊媒師に言われた言葉のとおり過去から解放された?その笑顔?陽人は進化を拒んだ現代人への警鐘?はー、わっかんねーや。とにかくパワーに満ち溢れた快作!爽快な音楽を聞きながら悶々とした気分になったのは初めてだよ!

なんかもう1回観たくなる映画だなー、こりゃ。この内容でメジャー作品を作り上げてしまった監督おそるべし。なんだか映画について考えさせられる映画でした。(★★★★)