「トランスフォーマー/リベンジ」

菖蒲にすっ飛んで鑑賞。IMAXシアターを初体験してきました。いろいろと学んできましたよ。とりあえず最後列はダメだね。最後列だけやたら後方に設置されていて、傾斜も低いので前の席の人の頭が画面にかぶってしまう。それをわかってるのか字幕もやや上に表示されていた。開始直後は「失敗した!クソ!」と後悔と怒りでヒステリーを起こしそうだったが、そんな邪念たちはすぐに吹っ飛んでしまった。この映画のあまりに超サイコーぶりを目撃してしまったら、もう字幕なんてどうだっていいのだ!

はじめにIMAXシーンについて。通常時は画面上下に黒幕がかかりIMAX時には画面が広がる、と聞いていたが、黒幕は画面下にほんの少しあるだけだった。そして確かにIMAXシーンと思われるシーンでは画面が広がり、画質も格段に良くなっていた。綺麗なものがほんの数秒だけ超・綺麗になる、という感じだ。ただ、俺自身意識し始めたのは中盤くらいなので、もしかしたら気づかない人は気づかないかもしれない。意識して観ているとハッとさせられすぐにわかる。白眉なのはピラミッドのシーン。あんなに綺麗な映像は観たことありません!と、まぁIMAXはこのへんにしとこう。

この映画の感想を一言で言うならば「やってくれた!」である。同列に語るのはあれかもしれないが、今年は集大成的な作品が多い。俳優クリント・イーストウッドの集大成「グラン・トリノ」。男ミッキー・ロークの集大成「レスラー」。まぁ全米ではどちらも昨年公開なんだが。そして本作は「ハリウッド娯楽映画の集大成」だ。たまの休日に家族全員で劇場に足を運ぶ。ポップコーンを頬張りながら映画を楽しみたい一家が選んだのは本作だ。息子はオートボットディセプティコンの大熱戦に心躍らせ、父はミーガン・フォックスに鼻の下を伸ばす。それを横目に母と娘は呆れているが、実はシャイア・ラブーフに母性本能を刺激されていた。劇場特有の高揚感を共有した一家は「ポップコーン余っちゃったね」なんて言いながら手を繋ぎ家路に就くのであった。完。こういうこと。この映画はそういうことなんです。

マイケル・ベイという男は愚直なまでにエンターテイナーだ。求めるのはとにかく爆発、目指すのはとにかく迫力、自分の特性をこれでもかと見せつけることに全身全霊をかけてくる。うまいのがちょっぴり物足りなさも孕ませるとこ。あの肩透かし感が、また足を運びたくなる欲求を掻き立てる。何度でも体験したくなる空間を見事に創り上げているのだ。そしてマイケル・ベイという男はおそらく最も正攻法で映画をつくる監督だ。悪がいて正義がいるから戦いがある。力を合わせて戦う絆があるから、ピンチのときは愛が何とかしてくれる。そして正義は勝つ。何もない映画に見えるが、およそ娯楽と言える要素の何もかもを詰め込んでくれたのだ。

ゼロ年代最後の年に生まれた大娯楽作。ハリウッド映画が究極形態にトランスフォーム!(★★★★)