「ハリー・ポッターと謎のプリンス」

原作はすべて未読。映画は1作目と2作目を劇場で観て、それ以降はすべてDVD鑑賞。というのは、2作目にデカいクモが出てくる場面があったと思うんだけど、あの場面でぐっすり寝てしまったんだよね。起きたらクモはいなくなってた(これがホントのくもがk)。んでそこだけ確認するためにもう1回劇場に観に行ったんだけど、まーた寝てしまったんだよね。寝不足でもなかったし、退屈してたわけでもない。なのに何故かあの場面になると、耐え難い眠気に襲われてしまう。さらにその後地上波で「今度こそ!」と意気込んで観てみたんだけど、やっぱり同じ場面でグスーリ。もうスリプルとか何かがかかってるんじゃないの?と。そんな不可解な経験をしたために映画を拒絶するようになってしまい、どんなに流行ろうとハリーは無視!が僕の鉄則でありました。今でもクモのくだりは見れていない。

そして、今日。シリーズ6作目を鑑賞。なぜ何年も守ってきた鉄則を破り、わざわざ初日に観たのかと言うと、『予告でジニーが目立っていたから!』である。純度120%女目当てです。3作目あたりから僕の中で頭角を現し始めたロンの妹ジニー。なぜだか僕は「ハイスクール・ミュージカル」のケルシー的な立ち位置の子に惹かれてしまうんですねぇ。しかし、、、だ。ジニーは可愛い、めちゃくちゃ可愛いよ!ペッt、、、いや彼女にしたいよ!俺に魔法が使えるならハリーの唇に化けてやりたいよ!だけどねだけどね、演技が大根すぎ!!一言目からずっこけさせられてしまった。双子でさえキャラが立っているというのに、一体ジニーは何しにきたんだ!追い打ちにトム・リドルは少ない時間で良い雰囲気を醸し出してるという、、、。

目当てのジニーで撃沈したこともあってか、物語もあまり楽しめなかった。ぶっちゃけ何度かラリホーにかかりました(!)。ハリー・ポッターシリーズは全部それなりに楽しめていたし、5作目のホラーな雰囲気も好きなんだけど、今回はダメ。まず中盤にだらだらとやるベタなラブコメ。ベタなのはむしろ大歓迎なんだけど、この手の話の場合って、そのラブコメ部分がシリアス部分にも関係してないと駄目だと思う。どんなに誰々と誰々の色恋沙汰が描かれても、それがただ物語を寸断しているだけでしかなく、凄まじいまでの停滞感が発生しておりあまりに冗長。前作で不評だったホラー部分へのオブラート&時間稼ぎにしか思えなかった。2時間以上あるのに30分くらいしか物語が進んでいない。ハリー・ポッターってここまで幼稚だったっけ?と思ってしまったくらいだよ。

物語や構成はてんでダメだったわけだけど、好きなシリーズなので良いところもあった。まずヘレナ・ボナム=カーターの魔女っぷり!まぁ、これは何も今作からではないけれど、やっぱり見応えあった。彼女がいるだけで何か起こりそうだし、劇中の雰囲気ががらりと変わる。あとはクィディッチが良かった。あれ、ということは、ハーマイオニーとロンのラブコメは今までがあるだけにそれなりに楽しめたわけだ。それじゃあ邪魔なのがハリーとジニーになってしまうじゃないか!期待して見に行ったものを不要に感じてしまうなんて、こんなガッカリなことはない。不思議ちゃんのルーナで押し切ってくれたほうがよっぽど良かった、、、。

この物語の核が恋愛模様なのか、混血のプリンスなのか、分霊箱なのか皆目見当が付かない。そういう意味で「謎のプリンス」は正解。(★★☆)