DVDで「愛のむきだし」をみた。

昨日『ノウイング』を観に行こうとして、道中なんとなく暇だったので友達に電話してみたら、飲み+ボーリングに巻き込まれることに。めちゃくちゃ楽しかったが死ぬほど疲れた、、、。というか、酒飲み後にボーリングとは行動の順序としてどうか。多少なりともアルコールで三半規管が狂うのだから、鉄球なんぞ放れるワケがない。ぼくは酔拳の使い手ではないしチャン・コーハンでもないので結果は火を見るより明らかだ。死力を尽くし3ゲームほど玉を放ってみたがやはり無惨な結果に終わった。ボーリングってやるたんびに「オレはもう戦わん!」って思うつまらない遊びなんだけど何故かまたやってしまう。ヘタクソだから毎回3ケタの壁を突き破れない(大概はネタに走る)ので、負けず嫌いなぼくは後半口数が減る。昨日も4ゲーム以降はソファで寝てた。皆既日食に目もくれずわたしは一体何をやっているのか。

そして今日。待望の『愛のむきだし』をレンタル。劇場と同じ区切りではないが、上巻・下巻に分かれてやがった。一瞬むかついたりしたが、作品を見始めたらそんなことは一切合切吹っ飛んでしまった。それにたしか劇場も料金高かったんだよね。さて、感想。うん。『愛のむきだし』は素晴らしい!最高の映画だ!!邦画で言えば間違いなく今年度ダントツの首位!何やら満島ひかりがスゴいらしいという前評判は聞いていたが、まさかここまでとは。かんっぜんに惚れた!さらに素晴らしいのは「愛、涙、エロ」というぼくの琴線触れまくりのエンターテインメント作品であること。どうしようもなく最高である。ここでひとつ謝っておこう。満島ひかりさん、どうも御馳走様でした。HAHAHA☆

園子温監督の作品は『自殺サークル』『紀子の食卓』『エクステ』しか観ていないけれど、現役の日本人監督ならもしかしたら一番好きかもしれない、、、。というか今日で確実に一番になった。『愛のむきだし』は『自殺サークル』『紀子の食卓』と同じ系譜の作品で、歪んでいく絆だとか壊れていく愛だとかを描いていて、廃墟.comの代わりに用いられたのはカルト宗教だった。4時間近い長編なんだけど「奇跡まであと365日」のバン!バン!バン!で目玉が飛び出るほど驚き、タイトルがズゴォーン!ダン!ダン!ダン!ダン!ダン!ダン!シュバァー!!とド派手に表示され、ボレロに乗せた映像がすべてアバンタイトルだったと気づかされたときには、もぉ〜うボルテージはMAX最高潮だ!そこからどこへ向かっていくのか全く予測できないストーリーが展開され、4時間が体感では2時間に感じるほど入れ込んでしまった。色んな女性が登場したが、一番可愛かったのはタカヒロのねーちゃん。

罪をつくっていたユウが聖母ヨーコと出会えた、というのはまさしく奇跡以外では説明がつかない。さらに面白いのはその奇跡のお膳立てをしたのが、皮肉にもコイケだったということ。家族との関係をどうにか修復したいユウと家族の関係など破壊してしまいたいヨーコ。コイケは自分とは正反対の存在であるユウに思想が似通っていることを感じ興味を示す。同類であるヨーコを取り込みユウの破壊を目論むが、結果から考えればその行動すべてが手助けになってしまっている。ここが凄く良いポイントだった。コイケはブスだし満島ひかりの圧倒的な存在感には負けているけれど、人物描写では一番興味深いものがあったなぁ。タランティーノのFUCK記録みたく変態記録とか打ち立てられないだろうか。

手と手が合わさる瞬間があんなにエモーショナルに見えたのは初めてかもしれない。その愛が純粋ならばたとえ変態と呼ばれようとも恥じらうことなくむきだすのだ!という素晴らしい頌歌のような大傑作でした。(★★★★★)