「サマーウォーズ」と「BALLAD 名もなき恋のうた」

2作品のオープニング数分間を収録したDVDを無料レンタルした。非常に思うところがあったので書き留めておく。まず、細田守監督の「サマーウォーズ」。「時かけ」はここ数年でトップクラスのお気に入りな上に、声優陣が素晴らしいを通り越しているため、否が応でも期待してしまう。マガジンで一目惚れしてソフトバンクCMで惚れ直した桜庭ななみ。彼女の演技を見たことがなかったので、声優どうかなぁと思っていたが、オープニングを見た限りでは大丈夫そうだ。なかなか萌えさせていただきました。主役をつとめる神木くんは安心して聞けるし、登場しなかったけど谷村美月は彼女が得意とするキャラクターっぽい。仲里依紗はご愛敬だ。「ぼくらのウォーゲーム」の流れを汲んでいるように見えるが、果たしてどんな仕上がりなのか。下半期に入ってようやくそれらしいのがきた気がする。

次、あの「BALLAD 名もなき恋のうた」だ。制作発表の時点で駄作のレッテルが貼られた上に、先日の「俺、つよし!」さんのアレもあって、おそらく「アマルフィ」なんぞ比べものにならんくらい世間を賑わすであろう作品。「なぜ?クレしんを実写で?」という雑念は拭えないが、先日「ALWAYS」を初めて見た(!)際にいくつか思うところがあった。というのは、あの映画の登場人物(とあの映画が好きな人たち)が、「クレしん オトナ帝国」で描かれる「過去に縋り付く弱いオトナたち」をまことしやかに美化したモノ、に見えてしまったのだ。「ALWAYS」鑑賞中に何度も「オトナ帝国」が頭をよぎるので立て続けに見てみたら「夕日は人を振り返らせる」みたいなセリフもでてきて思わず苦笑い。「オトナ帝国」は大好きな映画だけど「三丁目」は残念ながら気持ち悪い映画でした。

話を少し戻して、「なんだ、山崎貴クレしんは繋がってるのか」と妙に安心していると、さらに目を見張る場面が。「オトナ帝国」のラストに、イエスタディ・ワンスモアの二人が投身を図ろうとする瞬間にハトがバサー!ときて思いとどまる、という場面がある。久しぶりに見たが、これを見た瞬間に思い出した映画がある。問題作「恋空」だ。ただ「オトナ帝国」の場合はあの馬鹿映画と違って、ちゃーんとメタ演出ができているので、空のくせに雲泥の差があるのだ。まぁそれはそうと気に掛かったのは、オトナ帝国→恋空→BALLADを結び付ける新垣結衣という存在がいること。ALWAYSで害した気分を直すためにオトナ帝国を見たら、更に追い討ちがくるという、、、一体なんの逆襲だ!!

んでもって「BALLAD 名もなき恋のうた」なわけだが、オープニング数分間の感想は「まぁたぶん駄作になるだろう」といった印象でした。山崎貴監督作品では唯一「ジュブナイル」は良かった気がする。当時、中学生だったぼくは映画にハマり原作も読んでしまったが、今見返すのはちょっとこわい。続く「リターナー」は金城武鈴木杏は非常に苦手な人物なので、全く楽しめなかった記憶があるが、物語はさっぱり覚えていない。こちらは見返してみようか。そして「ALWAYS」はあの大ブームに吸い寄せられなくて良かった、と安堵のため息がでるほど胸くそ悪い作品でした。けどまぁ「続」もそのうち観てみよう。

山崎貴監督はこの辺にして、楽しみなのはアフリクションが中止になった8/1の「サマーウォーズ」だ!「つながりこそが、ボクらの武器」とあるが、「野原家」のような強靱な絆を描けるのか?桜庭ななみはブレイクするのか?そんな見所が満載である。