「20世紀少年-本格科学冒険漫画」

本当は「96時間」か「南極料理人」を観るつもりだったんだけど、どうも気分が乗らなかったので、今週末にいよいよ最終章が公開される「20世紀少年」を読破してきた。してきたというのは漫画喫茶に行ったからで、なんと半日近くも潜伏してしまったであります(笑)一人で行くのは初めてだったけれどとても快適でハマってしまいそう。ダメ人間のアビリティがまた増えましたよ、ハハハ(笑)んで感想ですが、『これ連載中はどんな風に思われてたのかなぁ』なんて考えながらハラハラドキドキ楽しく読みふけりました!たまにゾッとしてしまうような場面があって、そこがこの漫画の醍醐味なんじゃないかと。

映画館で第二章を観る前に12巻くらいまでは読んでいて、その時点での感想は『なんだか絵が嫌だし、内容もどうでもいいなぁ』ってなカンジだったんだけど、ちょうど第二章の終わりである「ともだち歴」になってからはスゲー面白かった!!ともだちが入れ替わるまで友民党側の人間たちの何人かはそれが「誰」であるかを知っていて、知らないのはケンヂ側の人間と読者だった。けれど、ともだちが入れ替わり、年号が「ともだち歴」になってからは漫画の登場人物全員がその正体を知らない。そこでキーになってくるのは登場人物たちのトラウマや後悔といった「過去」であり、過去を探るには「記憶」に頼るしかない。その記憶というものがとても曖昧なもので、それこそバーチャルアトラクションのようなモノがなければ確証は得られない。すべて読み終えたときにその曖昧さに最後の最後まで振り回されてしまった人々の物語だとおもいました。

そんなことを考えながらぼんやり上を眺めていると、先日参加してきた小学校の同窓会の事と、小学校の卒業アルバムで担任の先生に贈られた言葉を思い出しました。同窓会では小学校の卒業式以来の再会という者が何人かいて、軽い挨拶を済ませたあとで気の知れた奴にひそひそと「あれ、誰だっけ?」なんて聞いてしまう、まさに映画第一章と同じような光景が見られたわけですが、それまで気づいていなかったけどぼくは人の顔と名前を覚えるのがどうやら得意のようで、当時の「記憶」からは信じられないほど変わっている奴の名前とその漢字が、わずかに残っている面影が一致することでパッと思い浮かんだのです。

そして担任教師から卒業アルバムで贈られたのは『漢字を覚える不思議な力を持っていたね』という一文だった。まぁフツーに役に立つ力だとは思うけれど、それって「不思議な力」なのか?なんだか自慢みたいになってるけど、書きたいのはそんなことじゃなくて、、、。まぁとにかくこの漫画は誰か一人でも記憶が間違っていたら成立しない物語だと思います。んでそこが一番良かったとこですねぇ。うーん、、、。えーい、まとまらん!先生!漢字を覚えることができても文章が書けません!!ただこの物語が計画的だったとは到底思えず、そんなの知る由もありませんが、とにかく映画最終章がどんな結末になっているのかは楽しみ。あ、ぼくは第一章楽しめたけど第二章駄目だった派。

「ぼくはいいもん?わるいもん?」と言う台詞が印象的。同窓会でも「あー!あったあった」なんて盛り上がったけれど、追懐することってホントはとてもコワイもんなんじゃないかなぁなんて沈思してしまいました。