DVD「グエムル -漢江の怪物-」

怪獣映画に家族愛と政治的なメッセージを込めてみせたポン・ジュノの力作。改めて観ても、怪物が登場するまでの見せ方とそこからの河川敷での大惨事がたまらなく最高。釣りをしている男2人が奇妙な小魚を発見するが、観客には敢えて見せない。次に橋からぶら下がる「何か」を発見した人々を映し、怪物をそっけない見せ方で初めて映す。「よくわからないけど何かいるぞ」と興味を引かれたところで、あらぬ方向から大惨事が始まる。

劇場で観たときはまだペ・ドゥナのことをよく知らなかったし、ぶっちゃけソン・ガンホばかり気に掛けていたので、「ドジでのろまな銅メダリスト」の魅力に気が付かなかった。というかあの一家全員が漫画的で愛すべきキャラクターなのだけれど。しかしこれといい『クローバーフィールド』といい、もう日本で怪獣映画がつくられることはないのかなぁ。漫画原作の似非CGアクション映画なんかよりよっぽど観たいんだけど、、、。ゴジラガメラもいない日本映画界はさびしい。(★★★★)