「バルセロナvsレアル・マドリード」

バルセロナ見たさ、というよりはメッシ見たさにWOWOWでリーガ観戦を始めてから今季で3年目だが、両チーム共にメンバーが変わったので今年は特に楽しみにしていた。片や昨季スペイン初の3冠を手にし、的確な補強に成功したバルセロナ。片や昨季無冠に終わり、不況など何処吹く風と第二次銀河系軍団をつくりあげたレアル・マドリード。ぼく自身は「チーム力ではバルサが上」という意見に賛成していたけども、それは相手が「未完」であること前提で、絶対的な自信がないのも確かであった。むしろクラシコという異様な空間がビッグバンやら惑星直列やらを引き起こしてしまうんじゃないか?という危惧すらあった。はい、びびってました。

試合が始まるとその通り心臓に悪いレアルペース。バルサ的な速くて細かくて美しいパスワークはほとんど見られず、レアルのシュート数ばかりが増えていく。よく早いうちに決定機を逃したチームは負けると言うけれど、やっぱり今のレアルにはいかがわしい選手がたくさんいるので、とてもじゃないがそんなジンクスに期待はできない。カシージャスの遅延気味のプレーには久しぶりに敵愾心を抱かされましたよ。

ところが後半に入ると空気が一変する。ピケの意気揚々としたオーバーラップからわかるようにギアをひとつかふたつ上げたかのような動きを見せるバルサ。いいリズムが生まれたところで、グアルディオラ監督は潤滑油となるとっておきのカードを切る。「アンリ→イブラヒモビッチ」だ。このとき彼、ズラタン・イブラヒモビッチが放った「☆降☆臨☆」感がちょっとハンパじゃなかった、、、!!ピッチに立つやいなや当たり前のようにペペを吹っ飛ばし、当たり前のようにポストプレーをこなす。たったワンプレーでゴールの予感を漂わせてしまった。

そして、その予感を数分後に現実にしてしまうんだからイブラヒモビッチ、、、とんでもないわ。ダニエウ・アウベスの絶妙のクロスをダイレクトで合わせ、いとも簡単にゴラッソ。クラシコ出場4分でゴールとは、、、。あの瞬間の彼に対しては「神」以外に言葉がない。晴れて1点リードとなったあとブスケッツのアホが退場したことで、レアルが息を吹き返した時間帯もあったが、そこはプジョルプジョルプジョルで凌ぎ、見事クラシコ勝利。終了間際のメッシが決めていれば尚良かったけれど、苦しんだ末に掴んだこの勝利はでかいんじゃないでしょうか。

レアルもこれから死に物狂いでくるだろうからまだまだリーガから目が離せない。バロンドール候補者が6人も揃ったプチW杯状態のクラシコでありました。