「アバター」

ばっちり寝坊して冒頭10分ほど見逃してしまったので、もしかしたら何か重要な描写を見落としているかもしれません。だからってわけじゃないけど3D字幕でもっかい観る予定です。だってさいこーだったもん。まじほんとうにいい!予告編からびんびん感じていたとおり、やっぱり超おもしろかったですよ!しっかしそれにしても、まさか起きた瞬間に予定より進んじまってる時計に向かって「アジャパー!」などと言ってしまうとは、、、。スーパー寝不足状態であっても『アバター』だから「アジャパー」だなんて、なんだかとっても「今日もぼくは生きてるッ!」って気がします。

そんなぼくより遥かに生き生きとしていたのがこの映画の驚異的な映像。パンドラに住む真っ青な方々はもちろん、草木や動物たち(いやクリーチャーかな?)がとてもオリジナリティーにあふれていて、キャメロン監督まさに入魂の世界観が表現されていた。おもしろいなと思ったのはナヴィのひとたちが自然と共存していて、文字通り「密接」に関係しているところ。そーゆー体なら確かに共存していけるよなぁ。

その映像とは打って変わって物語は実にオーソドックス。言わば最先端の映像技術と古き良きストーリーテリングを組み合わせ真新しいものに仕上げたというところか。人類代表として「アメリカ」が犯してきた様々なことへの「謝罪」のようなテーマも匂わせていてなんとも抜かりがない。あともしかしたら『PRINCESS MONONOKE』など我らが宮崎作品と絡めて考えることができるかもしれない。観ていてジブリという言葉が何度も頭をよぎった。とはいっても、そこまで意識はせずにただぼんやりとヒトが行き着く思想や理想郷は似たようなもんなんだなぁ、というところに落ち着いてました。

少し予想と違っていたのはジェイクの成長譚とネイティリとの恋愛描写が、単に物語進行をスムーズにするための潤滑油となっていたとこ。メインではなくあくまで潤滑油。これはちょっぴり残念だったけれど、3Dの映像美や入魂の世界観などそれを補って余りある魅力がたっぷり。ただどこかまだ伸び代があるようにも思えたので、これからどーゆーところにウエイトを置いていくのかジェームズ・キャメロン印の3D映画がかなり楽しみになりました。もしかしたら未来の劇場では観客ひとりひとりがアバターに送信されて、そのひとりひとりが映画を「体験」できる!なんてことになるのかも。と、そこまで夢想させてもらえる素晴らしい映画でありました。

手を取り合い心を通わせたナヴィたちがつくる「青い輪」。そして「緑色」のタイトル。映画監督ジェームズ・キャメロン「自身」の声は果たしてどこまで届く。(★★★★)