脚本がダメってことはクソってことだろ?「アマルフィ 女神の報酬」

打たれ弱いぼくはつまらない映画を観ると絶望してしまうので、本作のような「派手なことが起きちゃってる系」とか「明日にきらめく系」の映画はわりと無視しちゃうんですが、これからはもっと積極的に観ようと思わされましたです。いかなるときも自分を魅せることを忘れない織田裕二の珍演に感動。観終わってからいろんな方々の感想やレビューを読んで爆笑。邦画バブルフィといわれて久しい日本映画界ですが、今年もばっちりTV局制作の気合の入った作品が公開されるようで、これはもう「売れる駄作」をつくりつづけてある種の文化にまで築き上げてほしいですね。そして願わくは織田裕二を使いまくってください。あと福山と大沢たかおも。

さて、そーゆー珍味である本作ですが、はっきり言って主要メンバー?でプロの仕事をしていたのは織田裕二だけで、ほかは見れたもんじゃないです。出演された方々は自分の演技を目にしてなにを思うんでしょうか?特に問題ないとでも思うんでしょうか?それとも仕事と割り切ってなんとも思わないんでしょうか?まがりなりにもプロなんだから、素人目にここまでアホらしく映って恥ずかしい気持ちはないんでしょうか?しかも織田裕二だってクオリティー的には佐藤隆太の川藤幸一と大差ないですよ。なのに、なのにですよ。もう手遅れだけど、よくこんな状態で世に出すなと逆に感心しましたよ。ぼくはテレビとかなくなってもぜんぜん困らないんですが、こんなのが50周年記念になっていいんですかね?とにかく、ぼくにはずぅーっと織田裕二の接待をしているようにしか見えなかったです(だから笑えるんだけども)。

さらに目をつぶれないのが、珍事「脚本家クレジット抹消事件」を巻き起こした脚本のテキトーさ。一体全体どんな仕上がりなんだとわくわくしながら観始めたんですが、アバンタイトルでいきなり炸裂する例の「ぶつ切り編集」でかなりダメージをうけてしまい意気消沈。あーゆー「意味のない映像を見せてお金とる」って詐欺師とか諸々の犯罪者と同罪なんじゃないですか。関係者は全員警察にスカウト、じゃなくて普通に逮捕されればいいとさえ思います。悪くない演技をしているひともいたけど、みんな脚本の餌食になってますからね。どんでん返し系の作品は大衆受けするんだから、もっとがんばったらいいのに。もしかして、がんばらなくても儲かるからいいんだよ!というダメルフィなやつらばかりなの?

もう感想ないからサラ・ブライトマンね。歌。これは公開当時から思っていたくだらないことだけど、あの曲きくとさぁ、格闘技ファンはどうしても秋山成勲選手を思い浮かべてしまうんだよねぇ。そして同時に彼の入場パフォーマンスである「土下座」の画を思い出す。であるからにしてぇ、ぼくは本編でテーマソングの「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」が流れる度に関係者の誰かがダイイングメッセージ的なあれで観客に謝意を示しているんじゃなかろうか?とそわそわしてしまったんですよ。きっと奴隷みたいに扱われてたいへんな思いをしているひともいるんだろうなぁ、というやさしい気持ちにさせられてしまい、上述した演技だとか脚本だとかなんてぜんぶ許してしまいそうになります。女神の報酬。

やっぱりTV屋に映画づくりはまだまだ身にアマルフィのようです。(★)