まったくもって無駄じゃなかった「(500)日のサマー」

はい、いってしまいましたよ、渋谷。栃木からあれですか、2時間くらいですか。映画2本分くらいの時間と映画2本分くらいのお金をですね。オラーッ!とかけていきましたよ。ぼくがこの映画を観るために失ったものはそのような時間とお金ですが、ぶっちゃけふつうのひとならたかが映画のために…と思うでありましょう、正直ぼく自身もまぁなんというか「テヘヘ感」はありますよ。でもですね、いまのぼくをこんな気持ちにさせてくれるものが、この映画以外にあるでしょうか?たったいま!生きているコトの証明となるこの一歩が!この一呼吸が!この映画を観ずしてぼくにありえるんでしょうか!?はい、ないですよぜったいに。いまのぼくのなかには確実に『(500)日のサマー』という映画が息づいており、だからこそこの感想文を打ち込んでいる部分もあるわけです。そのために払った時間とお金という代償なんて、これっぽっちも無駄じゃなかった、と思えますねぇ。そーゆー映画でしたよ。

まず、渋谷にて。文学フリマ以来の都内襲撃ですよ。んで、事件も当たり前?のようにありました。ただの事件じゃありませんよ?ほんとにぼくは都内では生きていけないクソ弱い出来損ないなんだな、と打ちひしがれてしまう事件ですよ。映画を観たあとならネタに思えるんですが、これは観る前だったので、ただ単にヘコみました(笑)どうやら渋谷という街にはパルコがパート1、2、3なるものに分かれているらしくてですね、そんなことを当然知らないぼくは駅から歩いていってパート2(閉まっとる)はすぐに見つけられたんですが、パート3が見つからないんですよ。さっぱりわからないので都内に詳しい友人に電話したんですが、方向音痴(というか世間知らず)のぼくが言い放つ言葉ではうまく伝わらないようで、しばらく迷う羽目になりました。「エレベーターの“9”を押しても行ってくれない!」と必死に友人に説明しましたが、わかってもらえるはずもなく、20分ほどパルコ「1」のレストランとエレベーターを行き来してました。そう、パルコ「1」の。

えーと、本作が上映されているというか目指していたのは、渋谷シネクイントというパルコ・パート3に属している映画館なのですが、土地勘のない田舎者のぼくはばっちりパート1のパルコをうろついていたようで…。え?パルコ劇場?は9階だけど、たしかシネクイントは8階だったような…と、9階のボタンを押しても「ランプが点灯しない階には止まりません」の一点張りな機械に、はぁ!?なんじゃこりゃー!?やべーもう時間だよ!!ふざけんな!!とキレながら外に出ると、すぐありましたねパート3。うん、ほんとすぐうしろ。な、なんでわからなかったんだ…と苦笑しつつも、無事に本作を鑑賞することができました。めでたしめでたし。あ、エレベーター付近をうろついていても運命的な出逢いなんてありませんでしたよ。ハッハッハ。

…って映画の感想書かねば!あのねぇ、この映画はとにかくつらかったですよ。身につまされすぎました。というのはですね、ぼくは約500日前(正確には1年と3ヶ月前)になんと「5年」付き合った彼女と別れたんですよ。はい。いいですか?5年ですよ?5年ッ!!んで、はっきりいって今日という今日まではその「5年」という月日が「無駄」だとか思ってたんですが、、、この映画を観たらそれは「まちがい」だと思わされましたねぇ…。いやはや一体どうやってこんな映画をつくったのか?製作関係者はぼくと「同類」じゃないなら敵ですね敵!とにかく観ていて頭を抱えてしまうシーンが多くて多くて、いやでも「無駄」なんかじゃない!と、目を背けていた心の傷と向き合うことになりました。

夏が好きだった「あのコ」みたいに素敵で、もしかしたら秋が好きなコに出会えるかも?ぼく自身は冬が好きなんだけどねッ♪(★★★★)