まだこどもだもんね「かいじゅうたちのいるところ」

心待ちにしていた期待作をさっそく観ちゃいました。いやぁ、よかった!すばらしかった!何て言うかこどもですねこ・ど・もッ♪まず主人公マックスくんを演じたマックス・レコーズくんがですね(本名だったんですね)、ハンパなくかわいい!!半開きで眠たそうな瞳とちょこんとした小さい唇がかわいくて、あと思わずクシャクシャになでたくなるような髪と「むぎゅっ」とつまみたくなるほっぺがかわいいです。さらにはあんな着ぐるみパジャマ?みたいなのを着るもんだから、、、もーうたまりません!あの子を見てるとデレデレしてしまいますねぼくは。

そんな超かわいいマックスくんですが、どうやら中身はちょっとばかしむずかしいようでした。気に入らないことがあれば「かいじゅう」みたいにぎゃーぎゃーさわいで大暴れ!ママをこまらせてばかりのこまったちゃんなので、さすがのぼくもはじめのうちは「ちょっとちょっと!汗」と心配になりましたね。でも、ふいに見せるさびしげで虚ろな表情にハッとさせられ、そうか、きみもなにかを抱えているんだな、と気付きます。いえ、気付かされます。

監督がスパイク・ジョーンズという奇人変人さんでありますから、「こども」を描くとはいえもちろんフツーではありません。それはマックスくんの家庭環境を見れば明らかで、というのはマックスくんには父親がいないのです。この映画はそーゆー少年たち、そしてかつてそーゆー少年だった大人に向けられた映画です。しかし、この映画、こどもの頃に原作の絵本を読んでいた方々にはどう映るんだろうか?やっぱりちょっと受け入れがたいものがあるんだろうか?そういえば隣の隣くらいにいた推定50代のおじさまからグーグーいびきみたいな音が聞こえたなぁ。うーむ、、、あ!わかった!きっとかいじゅうたちのマネをしてたんだ!なるほどー!

かいじゅうたちのいるところ」とは言わば「マックスたちのいるところ」とでも言うべき世界で、マックスくんが抱えているもどかしくて切ない気持ち、ひとりぼっちでさびしい思い、ぜんぶが「かいじゅう」になっている世界。そんなじぶんが抱え込んでいた弱さと向き合う世界なんだけど、当然そんなところでは生きていけない。たとえ王様になったとしてもそこは「いるべきところ」じゃないから。おもしろかったのは口の中に入り「胎児」になるところ。見た目の気持ち悪さもさることながら、マックスくんが感じる居心地の悪さには何とも言えない感触があった。でもそうだよね、きみはもう生まれたんだから。

マックスくん。太陽はまだだいじょうぶだから、ちょっとずつがんばろう!そして、ママを守ってあげてね。(★★★★)