青春は、急がず焦らず悶々と「色即ぜねれいしょん」

こーゆー映画を楽しむには制作者と同年代で当時の雰囲気を懐かしいと思えなきゃ駄目なんだろうか。青春って時代で違うとこはあっても根本的には同じじゃないんだろうか。とにかくぼくはこの映画で満足することができず、映画の雰囲気とはべつの悶々とした気分を味わうことに。役者陣の演技がみんなバッチグーだから余計にスッキリしないわ。

まずねえ、自伝だから仕方ないのかもしんないけど、事実(かどうかは知らないけどたぶん事実っぽいこと)を映画としてはまったく意味のない「事実」として入れすぎじゃないか?たとえば冒頭の病院でのやり取り。そーゆーコメディ映画と思わせるだけで何の意味もない。それとオリーブが「フリーセックスぅー!」と叫ぶとこ。いくらなんでもあの場面で言わせちゃ失笑するしかないよ。あとは婆ちゃんに電話を切られるとこか。

そのあたりに特に触れることなく進めてしまうスタンスがいやだ。この「置いてきぼり感」はこんなに素敵な話をオナニーだと思われてしまう「粗」だとさえ思う。素敵な話というのは主人公たちが夏休みの旅行として訪れるユースホテルあたりのことで、映画の前半を占めるこの悶々とした「一夏の旅」がかなり面白い。それだけに後半の学校に戻ってからのトントン拍子には興醒めする。ヒゲゴジラとアキちゃんの話とか、安藤サクラと太っちょガールとか、いくらでも広げようがあると思う。

そのせいか別れの飛び込みにも、いまひとつ力強さが足りない。学校に戻ってからは途端につまらなくなってしまったので、ユースホテルだけで1本の映画にするべきだったと思う。まあ要はなんだか原作を欲張って入れすぎた感じがするんだわね。はい、原作読んでないです、すみません。うつろなじぶんを何かで染めたい、という悶々とした雰囲気が良かっただけに、もっとじっくり描いてほしかったと思いましたです。

あとね、みうらじゅんさん!『おっぱいバレー』について「おっぱいを見せるべきだった」と言うならば!この映画こそ展開的には見せるべきでしょ!かわいい子めっちゃいたもん!あの突起も茂みもどーせニセモンでしょ!?ったく!!(★★)