日本人は強いんです!「26世紀青年」

映画ファンの定義がいまいちわからずに映画ファンを名乗りたがっているぼくだけど、なんだかこの映画観てたら「やっぱり今の日本映画界はよくねぇよなぁ…」と改めて憂鬱な気持ちにさせられたよ…。映画の内容は見た目も中身もすべてが「平均値」という奴が主人公で、彼はその当たり障りのない「普通さ」を理由に冷凍保存延命の実験台にされるんだけど、目覚めたら500年後の2505年でその頃には全人類がバカになってて自分は人類1位の天才だった!というコメディ。はじめのうちは「そうか…。『平均』な人は人類愛に満ちてるのか。じゃあぼくは平均以下だな!もっとあくどいことしちゃいなよ!」なんて思いながら楽しく観てたんだけど、みんなバカだから映画『ass』という延々とケツを映すだけの作品がアカデミー賞を席巻!って辺りから、ぼくはずーっと「日本映画界」のことを考えていたよ…。

百歩くらい譲ってメチャクチャな邦題をつけることは許そう。この邦題だから観たひともいるだろうし(原題まんまだったら評判良くてもぼくは多分観てない)、この邦題だから観れなかったひともいるでしょう。日本は世界中の映画を楽しめる国だし、趣味だって多様化してるからそーゆーことはもうきっと仕方ないんでしょう。まあ知らんけども。ともかくそれよりぼくが嫌だなあというか、うぜーなと思うのはこーゆー邦題をつける原因になっている日本人の映画に対する疎さ。そしてそこに付け込む商売上手なひとたちの多さ。

べつにぼくは全人類映画ファン化すべし!とは思ってないし、そんなこと言えるシネフィルっぷりもないんだけど、言いたいのは「映画」ってかつて日本が世界に勝負してた文化なんじゃないの?ってこと。もし日本映画がなかったら、もし日本人が映画をつくっていなかったら、ゼロ年代の映画界を彩ったクリント・イーストウッドだって今のような存在になってないかもで、ゼロ年代ベストクラスの『グラン・トリノ』だって生まれてないかもしれないんだよ?ああすいません、例がありがちで…。とにかく日本が「映画」に与えた影響ってかなり大きいハズでしょ?だからもっともっともっと良い日本映画がつくられるべきなんだよ!映画を完成させるのは観客なんだよ!だって恥ずかしいでしょ!ルーキーズが1位じゃ!(野球の本場であり映画の本場でもあるアメリカがルーキーズを観たらどう思うんだろうか…)

まあ世の中映画がすべてじゃないからしゃーない。誰がどんなことを言おうと変わることじゃないんだよね。でもむかつくから悪口書くけど、毎年毎年興行収入1位をかっさらうテレビの劇場版をつくってるひとたち!おめーら映画館でテレビやったらその金は映画に返せよな!それとシネコン!悪いのはオマエだよオマエ!ったく毎週毎週クソみたいのばっかやりやがって!『踊る3』とかポスター告知すんの早すぎ!この映画館の皮かぶったデッカイてれびが!オマエどーせジャニーズライブのパブリックビューイングとかできるもんならやりたいんだろ!1本の「映画」を犠牲にしてさ!近場にオマエしか映画館が無い、ってコトが、映画ファンを名乗りたいぼくのコンプレックスだよ!おわり!

先日、結果発表された映画サイト『破壊屋』さんでのゼロ年代ベスト映画。日本映画の1位は『オトナ帝国』でありましたが、数年後の興行収入1位はまじで『ケツだけ星人(イケメン起用)』とかかも。(★★★)