まつ毛って男も長いほうがいいの?「ラブリーボーン」

期待していたほど、というかむしろつまらなかったなあ。なんてーか色々あるんだけど…。「結局、何を映画にしたかったの?」と思ってしまったね。ところどころがそれなりなんだけど全体として観ると「?」がつくことばかり。トンデモになりきれない『ファウンテン』と笑えない『サイン』を足して2で割っちゃった感じ。

期待してたのは「天国」の映像と「天国に行ってからのお話」だったんだけど、映像はまあ特に何も…な感じ。言ってしまうと「そういえば天国なんて映像にされてもわかんないや!だって見たことないもん!」とさえ思うほど真新しい表現がなかった。活字を映像化したら陳腐になった例、として見せられたら納得してしまうかも。

「お話」はと言うと、「私が天国に行ってからのお話」という触れ込みなのだけど、そこまで辿り着くのがやったら長い。30分以上はあった気がするなあ。「このひとはこーゆーひとです」的な描写がちらほらあって、時間をかける割には「丁寧」ではなく「急ぎ足」という印象さえ受けてしまう。のちの行動に説得力を持たせようと必死すぎるんだよね。とにかく付き合わされてる感が強くて序盤はかなりかったるい。

それでもこのキャストだから後半盛り上げてくるのかと思いきや、家族ドラマで泣かせたいのか?サスペンスで楽しませたいのか?なんだこれは?一体どっちなんだ?と首を傾げたくなる場面ばかり。映像面も面白味がないだけならまだしも、現実世界と主人公スージーのいる世界が映像として全く面白い繋がりを見せてくれないので手抜きかと思った。まさに投げてしまったような酷いグロ描写まで登場する始末。なんの予備知識もなかったけれど、ピーター・ジャクソン版『パンズ・ラビリンス』というくらいの期待感があったので残念。まさかピーター・ジャクソンがつまらない映画をつくるなんて…。

てかさ、『ラブリーボーン』って「愛すべき何かが生まれる」とか、「愛されている存在」みたいな意味だと思ってたら、「美しい骨」なんだってね…。あのさー、これホント?原作も?嘘でしょ?てか「ボーン」が「骨」な時点であんまし良い言葉思い付かない…。いろいろとあぼーん!な作品でした。(★★)