アダム・サンドラー、テメエこの野郎!「パンチドランク・ラブ」

先日発表されたアカデミー賞のノミネート。作品賞にノミネされたやつでぼくが一番期待しているのは「マイレージ、マイライフ」なんだけど、マイレージに取り憑かれた男がマイライフを取り戻していく…というお話らしく、「そんなんなんかあったな…」と思ってたらコレでした。まあ正確にはマイレージじゃない(よね?)ですし、内容も似ても似つかない作品だとは思うんですけど。てか数字に滅法よわいぼくはポイントがどうとか意味がよくわかんないです。とりあえずプリン買いまくると良いコトあるんだな!ということを描いたんでしょう(違います)。

PTA作品のなかでは一番サクッとみれてしまう映画なんでたまーにみちゃうんですよね。いえ、すいません嘘つきました。たまにじゃなくて「こんな季節になると」です。やっぱり冬は身も心もしばれるじゃないですか。ぼくは冬生まれなんで好きは好きなんですけど、好きな季節に「うまくいってない」ってのはどーも…。だからこの映画をみて孤独と「孤独じゃない」のふたつを再確認するわけです。そうすると、なんかあったまってくるんですねえ。

7人のお姉さま方に揉まれて育ってきた主人公バリーは、いまにも爆発しそうなモヤモヤを抱えてる困ったちゃんで、てか姉ちゃんちのホームパーティでガラスを破壊したり爆発しまくるんだけど。とにかくサムズアップ!と思えるなにかを求めている男なんです。何となくピアノを拾ってしまったり、何となくセックス・ダイヤルを利用してみたり、まあどこにでもいる孤独論理がしみついた男ですね。そんな彼が出会ってしまうプリン、じゃなくて「パンチドランク・ラブ(強烈な一目惚れ)」。ぼくにとっちゃ、は?なにソレ?喰えんの?ってカンジですけど、いやあ喰えてしまうんですよね映画のなかでは。ああ喰いたい。

まあせっかくのデート中にレストランのトイレをメチャクチャにしたり、おかしな連中と争いになったり、「なに言ってんだおれ…」とつぶやきながら「EXIT、EXIT、EXIT」と出口ばかり歩いたりして、なかなかうまくはいかないんですけど、道は拓けてるぞ!という安心感というか「でも、いいよなあ」とうらやましく思えるのは「彼女がすでに振り向いてくれてる」からですね。んで、ここが素敵。たまらなく、ね。ほかにも時折クラクラしてしまうような光の映像があったり、聞き心地のいい音楽があったり、フィリップ・シーモア・ホフマンが顔を真っ赤にしたりと、好きな要素が満載。まあ全体的な感想はタイトルのとおりなんで2度は言うまい。男のひがみとヒステリーは救われないのだ。ファック!

恋はスリル、ショック、サスペンス、そしてアクシデント。ぼくもはやく「むちうち」になりたい。(★★★★)