そんな催し物「パレード」

うーん・・・。もうワンパンチ何かがあれば、心置きなく傑作!と思えるはずなんだけど、何故だかそのワンパンチの正体がイマイチよくわからない。でも手放しで面白い!と言う気にはならないんだよなあ。なんてーか最初から最後まで「物語がどこへ向かってるのか?」がぼくにはうまく掴めなくて、アッ!と驚く展開にも、「ああ、まだその話生きてたの?」ってゆー「気付き」が混じっちゃっててなんだかなあという感じ。やたら気取って描いた割には「そうか?」とも思えちゃうし・・・。興味深く観続けたのに後味がこれじゃあスッキリしない。うーん・・・。

大学生、無職、イラストレーター兼雑貨屋、映画配給会社、と、置かれた境遇がまったく違う人たちのルームシェア生活。彼らを繋ぐ薄っぺらくて危なっかしい人間関係、なんてことを描いていたと思うんだけど、何やらこの映画「コワイ」と評判らしいんです。たしかにある瞬間でハッとさせられはするし、途中からそのような雰囲気ではあるんだけど、「自分の知らない他人がいること」そして「上辺だけの付き合いに安住してしまうこと」。これってコワイかな?そもそも人間関係なんて往々にしてそんなもんだとぼくは思うけど。だからこそ「信頼」と呼べるものを築けたときが素晴らしいと感じるワケで・・・。

原作は未読だけど、たぶんかなり面白いんじゃないかと。一枚一枚ぺらりぺらりとページをめくるたびに登場人物の心理状態に色んな「飾り」が剥がれたり上塗りされたりでかなり楽しめそう。ただ、それを映画にするならまずは「連続通り魔事件」にもっと趣を置いたほうがよかったと思う。ルームシェアをしてる4人のパートに分けてあって、最初の小出恵介演じる良介、次の貫地谷しほり演じる琴美、の2っまではその2人の「自然体それでいてどこか希薄」な掛け合いが楽しくて、物凄く期待感が持てるつくりだったんだけど、異分子である林遣都演じるサトルが登場してからは、映画の主軸がどこにあるのか?が何となくあやふやになっちゃってて・・・。

ルームシェアなんてどこの国でも異文化交流みたいなもんで(知らないけど)、そこに日本人独特の気質が入り込むとそれは喜劇にすら見えるはずなんだけど(知らないけど)、なぜだかこの映画はホラーだと気取るんです。いやそうとも言えると思うんですけど、そう言うのなら「NOT売春」なんか端折って、「通り魔」を追う展開にして(バレてもいいんだよ!)、当の本人にはその「真実」を告げずに伊豆高原まで一緒に行ってしまう。つまり「登場人物と観客が共犯関係を築く」という風にすれば、「今日の○○の部屋のゲストは、あなた」てな感じにバシッ!と決まったんじゃないかなあ・・・。

メリーゴーランドのようにぐるぐる回る。人間関係なんてそんなまやかしのオンパレード。そういえばブログ始めて1年経った!もっとがんばれ自分!(★★★)