素人にはオススメできない「コネクテッド」

基本的にぼくの思考回路は単純明快イエスorノーなので、どうも引っ掛かるんだよなあ、どこか腑に落ちないなあ、なんてことがあると、もうそればっかりが気になっちゃって、うわー!な状態になってしまうんですが、困ったことにこの映画では最後の最後にその状態になってしまいましたねえ・・・。

というのも、これ傑作『セルラー』の香港リメイクなわけですが、めちゃくちゃ面白いんです。『セルラー』もすごく面白かった記憶があるんですが、如何せん単純な思考回路なもので、内容をさっぱり覚えておらんのですわ。だから『セルラー』よりもココがイイ!とかいう感想はないんですが、いやホントよかった。今年はあんまり自宅鑑賞してないけど、久しぶりに楽しめました。

まずタイトルの出し方がベタながらカッコイイ。ぼくは映画観るときタイトルの出方を最初に気にしてるんでこれには大満足。つぎに物語の仕掛けを利用したシチュエーション、この手のモノにあるハラハラとイライラをうまく押さえていて、可笑しな表現ながら安心して観れました。さらにカメラワーク!これが素晴らしい!次のカットがまったく予想できない躍動感があって、時に口あんぐりのスピード感、時に顔が強ばるほどの緊張感、時にハッとさせられる画作り、とまあ凄いです。「金を払う強盗です」とか気の利いた台詞まであって、制作サイドのガチンコ具合が伝わってきます。

で、気になってしまった点はですね、悪党と戦う主人公が何の能力もない一般人であることから、映画のなかでバットマンという言葉がでるんだけど、『ダークナイト』にタンクローリーがひっくり返るという無駄に派手なシーンがありましたよね。この映画にも似たようなシーンがあって、さらにそこへ「素人がやったらこうなります」という思想まで織り込んであったように思うんですけど、そこまでいってしまうとどうしてもヒロインの描き方が気になるんですよ。ロボット設計士という設定をもっと・・・と言うのは難しい注文だけど、もうちょっと何かで活躍させてほしかった。それをずーっと期待して観ていたせいか「パパだ!」と言う感動の締めくくりに二人の場面が挟み込まれてあって、いまいちしっくりこなかったのですわ。

おかけになった電話番号は電波の届かない場所にあるか、電源が入っていない為、かかりません。はい、無い物ねだりはよくないですね。(★★★)