いのちの使い方「プレデターズ」

10日土曜日は久しぶりに総合格闘技DREAMを観戦してきました。今回は特に好きな選手が出場しない回だったんですが、ライト級タイトルマッチの青木vs川尻の試合に「観なければ」という勝手な使命感を感じてしまったので、前日にエヴァジブリの三流モノマネをしながら飲んだくれ、二次会のボーリングではいちいちジョジョポーズを披露してからの投球、などなどをこなし3時間ほど睡眠をとってから、パトラッシュがいるなら枕にしたい状態になりつつDREAMしてきました。

大会で印象的だったのが、『三日月蹴り』という技を持つ菊野克紀選手の一言。「命そのものよりも命の使い方に興味がある」。侍スピリットを感じる格好良い言葉です。大会がかなり早めに終わったので、さいたまスーパーアリーナからその足で『プレデターズ』を観てきちゃったんですが、映画観てすぐに菊野選手の言葉を思い出しましたよ。

「殺す」という本能。「生きる」という本能。と書かれたポスターを見るだけで燃え上がってしまう作品『プレデターズ』ですが、冒頭のいきなりワケもわからずスカイをダイブしているエイドリアン・ブロディ。理屈抜きで登場人物を惑星に放り込む制作者の傍若無人っぷりに身が引き締まります。そのままドーン!とタイトルがでて、選ばれし獲物たちが出揃うと、「殺す」サイドであるプレデターと「生きる」サイドである人間たちの謎の惑星を舞台にした時間無制限サバイバルマッチが繰り広げられます。

生き残るためにさまざまな手段を選ぶ人間の姿が小気味よく描かれ、死に際にそれがハッと示される。まあ、なかには拍子抜けする奴もいるんですが、一方で裸一貫いや刀一振りでプレデターと対峙するという映画史に残る名シーンを披露する奴も。最後の「自己紹介」にはこうまでしないと人間って信頼関係を築けないのか!と改めて人間の脆さを感じた次第です。プレデターのキャラモノにしちゃわないで、人間をきちんと描いたあたりは命の無駄遣いしてないな、という好感が持てました。

けど、1作目を踏襲した泥塗りや「プレデターvsプレデター」よりも、もっとヒャッハー!な展開にできたはず。人間様をイルカも食べちゃうプレデター(捕食者)とするならば、やっぱあの迷彩スーツは着るべきっしょ!(★★★)