俺たちニコラスケーター「バッド・ルーテナント」

世間様が『インセプション』すごかった!んなこたねいよう!『アリエッティ』つまらん!ですよねー!とかなんとか言って盛り上がってる中、ぼくはこの映画にラリッていましたです。・・・なんだろう。おもしろかったあ!以外に感想という感想がないのだけれど、どうしてもこの映画はブログにのせておきたくなりました。

えー、DVDで観ました。1日延滞して2回半くらい観ました。短期間にそんだけ観たのにニコラス・ケイジ最高!イグアナとか魂とか普通あーやって写すかね!?転落人生から起き上がりこぼし展開!おもしれえ!くらいの普通に楽しんだ普通の感想を持ちました。何かひとつと言われたらそりゃあニック演じる主人公「悪徳警部補=バッド・ルーテナント」であるテレンスがいいですね。素晴らしい。人間としての旨味タップリであります。

やたらと感情的に「親」がどうこう言うあたりや銀のスプーンの思い出話からは彼のルーツ的なもの、案外良いヤツじゃんかあ、なんて感じられる場面もあれば、チンピラからヤクを巻き上げついでにヤラしてもらったり、ギャングよりも老婦人にマジギレしたり、あれやこれや要領よく悪さしてる姿からは彼の本性か?と思ってしまうくらい本能的なものを感じる。善と悪がない混ぜになった劇映画らしからぬポリス像が素晴らしいですよ。

物語をひっくるめると「しょーもない世界が生み落とした悲喜劇」というカンジかと思うんですが(知らんケド)、やっぱり最後のあの薄ら笑いを浮かべてからの一笑がたまんないですね。魚は夢を見るのかなあ?なんて途方もないコトを考えたくなるセンチな気分に浸りながら、これまでの自分がした善行と悪行を顧みたところ思わず鼻で笑ってしまった、というような・・・。正直よくわかんないんですけど、なんとなく「あまりに自分らしい」と思っちゃったんじゃないですかねえ。こんなにしょーもない人生なのにアラ不思議、反省点てば「下着」だけやん(笑)みたいな。だとしたら逆に素敵。ぼくもそんな風に人生を一笑に付してみたい。

リービング・ラスベガス』がすきです。でも『バッド・ルーテナント』のほうがもっ・・・・・・いやそこはどうだろうか・・・。何にせよ最近ちょっと小馬鹿にしてたぼくたちが反省ですよ!ニックさん!と思ったら次『魔法使いの弟子』って!ぱねえ!(★★★★)