ポチとの遭遇「宇宙ショーへようこそ」

今年の夏は話題性あるアニメ映画が多くって、しかも、出来が良いときたもんだから、この『宇宙ショーへようこそ』は影に隠れがちかもしんないけど、これ本当に素晴らしかったですよ!好き!LOVE!

物語の主役は小学生の男女グループなんですが、年齢がバラバラで兄弟やカップルといった組み合わせもない。この微妙な関係性が「夏休み」の普段よりもスペシャル感を出していたし、ぼく個人、毎日のように学童保育に行ってたんで懐かしい雰囲気を感じさせてくれて素晴らしかった。

そのメンバーでなんと宇宙へ行っちゃうって言うんだから、一体どんなハチャメチャが押し寄せてくるんだ?なんて子供気分で観ていたら、意外にも細かい演出で惹かれることに。場面で言うと、珍しくも何ともないかもしんないけど、宇宙人と遭遇したときにそれぞれがそれぞれの反応を「同時に」喋っていて声がカブってるとこ。よくある周りのガヤガヤが小さい音量で主軸の会話はハッキリと。みたいなのじゃなくてホント個性豊かなコメントが聞き取りづらいくらいカブってる。これは子供が示す反応としてリアルだなあ、と。

さらに上手いのは制作者の言いたいコトをキャラクターにがっつし言わせていて、しかもそのセリフがキャラの性格にぴったし合ってること。終盤の主人公が思いの丈をぶちまける場面で、それまで積み重ねてきたディテールにハッと納得がいってハンパじゃない度合いの感動が味わえます。宇宙というある種なんでもアリな舞台なのに、相手を思いやるという小さくて大きい、近くて遠い、みたいなテーマを扱っているのが実にサイコーです。

今、当たり前のように付き合ってる人との出会いって、もしかしたら、宇宙と同じくらい奇跡的なのかも。そんな多幸感に満ちあふれて気分はまるで無重力。(★★★★★)