幸せになるための1400の映画『幸せの始まりは』

メモ的に感想をアップしましたが、それじゃあ勿体無いくらい気に入った作品だったので新たにエントリ。『恋愛小説家』などのジェームズ・L・ブルックス監督作品。人生に行き詰まった感のある登場人物たちが、出会いや別れを経てひとまず前を向いて歩きだす、そんな普遍性に富んだ素晴らしい作品でした。

原題は『How do you know』。これには「あなたはあなたにとっての幸せをこれからどんな風に知るのでしょう」といった人に対する優しい眼差しというか、何かとても暖かい問いかけがあるように思いました。印象的だったのは登場人物が皆、何かを言いかけて口を閉じたり、感情的な言葉を吐いてしまいすぐさま訂正するなど、「言葉」というものにすごく気を使っていたこと。多くの人が思い思いの発言をできる世の中になりましたが、いい側面もあればもちろん悪い面もある。ぼくなんかは特にツイッターとかで後悔しきりの毎日を送っているけど、それでも人と人とが繋がるにはやっぱり「言葉」、何も口から発するものだけではなくて、仕草や表情でもいい、とにかく相手に「どのようにして」気持ちを伝えるのか?これをするためにはやっぱり真心込めた「言葉」を用いることが唯一の方法なんだなあと改めて思いましたね。その中で「栄光」と言ったら大げさかもだけど、「挫折」なんかも付き物なんだよ、と背中を押された気がしますです。

その象徴的なシーンとして、一世一代の想いを伝える「プロポーズ」の場面があります。あの場面がまた「えええ!?」と声をだしたくなるほどおかしくって、でも笑わされるけどあとに残るのは「かけがえのない想いってこーゆーことなんだなあ」てな思いだったりして本当に素敵。なんというか円熟味がありましたね。ぼくは今年で26歳なんですけど、映画を今のようなペースで見るようになったのは高校3年くらいから。世代的にはシネコン世代に入るんでしょうかね。ちなみにそのシネコンで初めて見た映画は『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』。それからなんとなしに見た映画をメモるようになって、2年前にこのブログ始めて、昨年末にネット見るようになって(これは遅いか)・・・。7年間で見た映画は約1400本。このうち「好きだ!」と思える作品が何本あったかわかりませんが、ぼくは結構興味の無い作品でもチャレンジ的に見る人で、そのたびに後悔すること山の如しではあったんですが、10年後20年後にはそういった気力って多分なくなっていて(すでに最近なくなってきてる)、でもそのぶん時間はあると思うんです。その時間を「好きだ!」と思えた何本かの映画を見返す時間に充てようと思っていて、だから今は「好きな映画選び」をしているところなんでしょうかね。1400本見たといっても血肉になってる作品はたぶんあんまり無い。これは損かもしれませんけどね。というわけで、いつか自分に合わないものを受け入れる余裕がなくなったときのために、今は1本でも多くの「好き」を探していきたい。本作『幸せの始まりは』にあった「どのようにして?」を学んでいる最中、と言えばまとまりますかね。ハイ、以上なのでした。