シジミども、悲しみの愛を見せろ『川の底からこんにちは』

弱冠26歳石井裕也監督の商業映画デビュー作。昨年10月に本作の主演を飾った満島ひかり嬢と晴れて結婚。え!?っという戯けたルサンチマンを爆発させながら見た本作ですが、いやこれはやばかった。すべての鬱屈さを吹っ飛ばす快作でありました。昨年見ていたらダントツのベストワンに選んでいたのになあ。最高だったけど残念!

この映画の一番の魅力は『愛のむきだし』で開眼した満島ひかりの魅力が余すところなくフルに詰まっているところ。満島ひかりという女優には、まずFolderの時代があり、そして微妙なタレント時代があり、そこから這い上がろうとオーディションに励んだ時代があり、実を結んだ『プライド』や『愛のむきだし』を経て、やっと手に入れた今の注目度という歴史があるそうな。まあね、映画ファンの中で中の下をやってるボクもね、ファンではなかったですがね、一応は彼女のことをFolder時代から知っていましたよ。『モスラ2』を見たときも認識してましたよ。あ、見たことある女ってね。というかね、ボクらの世代だとFolderって結構有名なので、満島ひかりという名前が通じなかったときには「声高い三浦って男が抜けて、女だけのFolder5になったでしょ?あれのね・・・ボーカルじゃないんだけど・・・なんか目立ってた子!」という説明をしているんですよ(笑)どうですかこの微妙さ加減。映画が言うようにまさに中の下であるし、特異な履歴を持つ女優ということを重ね合わせれば、彼女自身はまさにシジミに他ならない*1。そして、本作はそんな彼女の魅力を詰め込んだ「シジミのパック詰め」なのですよね。自分のことをそこまで掘り下げて映画をつくってくれたら・・・そりゃ惚れるよね!しょうがない!同じ日に生まれた宮崎あおいも人妻だからしょうがないよ!*2

↑というネタ感想が思いついちゃったもんだから書いてしまったよね。さて、ここからは「満島ひかり宮崎あおいが同じ日に生まれた」ことを記念して*3、その二人にくわえて1985年生まれの演技派女優として絶対に外せない蒼井優をまじえたですね、「この3人だったらこんな映画が見たい!」という話を書きます。先に言っておきますけど、ボクなんて所詮は中の下ですからね。若手女優が奇跡的な共演を見せた映画の代表格だとか、女の情念あふれる傑作の歴史から紐解いていくだとか、そんなスゴイことはできません。かといって女3人といえば『チャーリーズ・エンジェル』だろっ!みたいなところにもいきません。なんてったって中の下ですからね、はいっすいませんっ*4。まず、3人の中で主演を張るのは蒼井優。彼女は二人に比べ知名度こそ同等かそれ以上のものがあるけれど、何故かこの映画は彼女だけの映画!と言ってしまえる作品が少ない。『百万円と苦虫女』は蒼井優パワーを発揮した作品というよりは典型的なガールミーツボーイにおさまった感が否めないのだ。あの作品でももちろん十分魅力的だが、あの作品以上の蒼井優を求めても罪はないだろう。よって主役、決まり。次に満島ひかり宮崎あおいの役どころ。これはあまりよく知られていない事実だということによる宣伝効果も期待して、「誕生日は同じだが歳は1つ違う姉妹」ということにしよう。続いて舞台だが、この3人なら可能ではあるけど、ありがちな「学園もの」にしてしまうと他の脇役の配置が面倒なので、なるべく少人数で済む、常に彼女たち3人が画面に映っていられるようなモノがいい。うーむ、なんだろう・・・。やっぱり近年の傑作邦画の筋でいくと「田舎」か?うん、田舎にしよう。『百万円と〜』のやり直しのごとく里帰りをする蒼井優を満島&宮崎の姉妹が出迎える。彼女たちの仲は悪いほうがいいだろう。もしくは悪くなっていく様子をやらねば。あ、女の戦いなら今はアイドル時代だし、やっぱり沖縄アクターズスクールを舞台にしよう!変更!んで、レッスンの先生はなんと黒木メイサ!『昴-スバル-』とかあったしな!演技派3人にとっては屈辱であろう!がはは!あ!さらにあれだ!花の85年組として小向美奈子も参戦じゃ!ついこの間ダンスのレッスンしてたじゃんか!復帰ロードきたよこれ!欲を言えば脇役でもいいから85年生でボクがモー娘。好きだったときに一番ファンだったチャーミー石川こと石川梨華も。そんじゃついでにAKB48の出身地最南端代表としてゆきりんこと柏木由紀もお願いします。ハリウッド枠はキャリー・マリガンキーラ・ナイトレイ。う〜ん、妄想は尽きませんねえ。ははは*5

劇中にあるすばらしすぎる歌。

*1:映画の舞台はシジミ工場

*2:映画を見た人は失笑か小笑いをしましょう

*3:去年知った

*4:映画を見た人は失笑か(ry

*5:ブラック・スワン』乙