某日ぼけっと見た『毎日かあさん』『英国王のスピーチ』
『毎日かあさん』
映画化がつづく西原理恵子原作作品。漫画は読んだことない。というか、名前を「サイバラ」と読むことさえついこの間知ったのだった。一昨年前に深津絵里目的で見た『女の子ものがたり』はまじに傑作だったし、去年の『パーマネント野ばら』もいろんな意味で戦慄を覚える作品だったしで、小泉今日子が割りとイケてしまうタイプのボクはなかなかの期待感を胸に鑑賞しました。
で、まあ、普通に泣けるイイ話だったねえ。それ以上にどうしたってことは無かったけども。劇中しきりにウーパールーパーが映されるので何だ?と思ってたら、幼体のまま成体するという性質がいつまでもオトナになりきれない永瀬正敏演じるダンナさんを象徴していたのね。「たまに」しかお父さんでいられない永瀬と「毎日」お母さんとして頑張るキョンキョン、そして二人の子供たち。あとはひょいひょい脇役がいて、そのひとたちの一言一句、一挙手一投足以外に見所がなかったといえばそうなんだけど、とにかくキョンキョンが最高だったよ。アニメとかはさまれるのも楽しかったかな。まあ、泣けるイイ話でしたね。キョンキョン素敵。
『英国王のスピーチ』
アカデミー賞受賞作。ボクは圧倒的に『ソーシャル・ネットワーク』を支持していたので、まあ残念な思いをしたことはたしかですね。それはいいとして、もしかしたらめっちゃ気に入るかもしれないぞ!っていう期待感は当然持って鑑賞したのですが、うーん、ちょっとダメだったかも。いい映画だったけどね。
この映画を歴史とかそういうものを取っ払ってごく単純なものとしてみた場合、ジョージ?世とライオネル、もとい王と平民の友情の話なんだけど、ああ、平民っつっても言語聴覚士っていう立派な肩書きはあるし、しかもその分野のパイオニア的存在だったらしいですけどね。そうそう、まあ、それはいいのよ。で、その単純な友情の話としてみた場合、絶対に平民側つまりライオネル側から物語を描いてくれたほうが絶対にボク好みなんですよ。もちろん王室側から描いた優雅さや上品さが売りってのもありますが、どっちかって言ったらボクは平民ですからね(!)。うだつのあがらない役者志望の爺さんの元へある日、王族様が現れてさあ大変。でもでも次第に良い関係を築いていく・・・ってホラめちゃくちゃ楽しいじゃないですか。逆『バリーリンドン』的なね。という、無いものねだりが鑑賞後に脳内を渦巻いてしまいましたが、難聴と吃音をかけてなのかベートーベンの7番第2楽章がかかるクライマックスには身を乗り出してうっとり。素晴らしかった。そういえばあの音楽がかかる映画って最近だと『愛のむきだし』と『落下の王国』かな?どっちもいいね。ボクもとうとうクラシックをきいてみようかなあ、なんて気に少しだけさせてもらましたとさ。