悩殺ネックロック『エージェント・マロリー』

エージェント・マロリー』感想。

スティーブン・ソダーバーグ監督最新作。『ガールフレンド・エクスペリエンス』(2009)と同じように実際にそれを生業とする女性を主演に迎えたモノホン女優映画。今回は女子格闘技界からジーナ・カラーノの抜擢です。とりあえず、今年のベストスリーに入りましたねぇ。超好き。

有名俳優が次々と生け贄に捧げられていく戦闘場面が、NOミュージックNOチャカチャカのしゅっとしたモノで楽しかったです。その戦闘への入り方というのも唐突でイイですねぇ。特にネックロック!また、冒頭のニューヨーク北部を支点に事態を回想していくという映画の語り口は、マイケル・アンガラノをガイドに見立てているようでちょっとしたチャームポイントです。全体的にかなり端正に撮られていて、ソダーバーグ監督は映画を「知ってるなー」という感じで、特に、ユアン・マクレガーが訪ねてくる場面で、棚の隙間からその様子を映して間を持たせるあたりは絶妙の上手さでしたね。

終盤、ビル・パクストン演じる父親へ獣性をチラつかせ、原題『Haywire』のとおり制御不能/バーサク状態の様相も匂わせておきながら、最後に奴をシメるときの大胆不敵さにその混乱をぎゅっと凝縮させていて、実に映画栄えするかっちょよさでありました。マロリーさいこ〜。おわり。