A long time Argo…『アルゴ』

『アルゴ』感想。

これまでの2作はナルっぽさに胃もたれを感じてあんまりだったベン・アフレック監督作品ですが、これは超楽しめました。最高。以下、ダメそうな妄想を整理。

要は、映画という文化を政治利用した話だとも思うんです。中東が舞台というだけで救出作戦用の映画に抜擢される不名誉な選出。そして、作戦終了後には国家機密としてお蔵入り、つまらない脚本としてだけでなく、政治的な理由で「監禁」されたわけです。これを踏まえると、ハリウッド作戦の面々が景気づけとして言う「Argo,Fuck yourself!!!」という台詞には、映画への愛憎入り交じった悲哀が感じられます。

救出を堕胎に例える台詞は、『スター・ウォーズ』(1977)のパチモンである『ARGO』そのものを指しているように思います。SF映画の金字塔の出来の悪い子ども。その出来の悪さと政治的理由でお蔵入りになってしまった『ARGO』ですが、そのコミックみたいな事実が実話として脚本になり、映画化にこぎつけたことで、儚くも「正真正銘の偽映画」の判を押されつつも、晴れて「物語」として陽の目を浴びることができたんですね。映画の映画による映画のための救出作戦。Argo,Fuck yourself!!!!!!おわり。