ジェームズ・ボンドでインセプション!『007 スカイフォール』

『007 スカイフォール』感想。

確かにこの映画には『ダークナイト』(2008)っぽい感じがいくつもありましたが、おそらくそれはブラフに過ぎません。何故ならば『ダークナイト』よりも『インセプション』(2010)みたいな感じが多かったからです!ハイ!ボクはクリストファー・ノーランが大好きです!!!

人の夢に潜入する映画『インセプション』には、クリストファー・ノーラン監督自身の「夢」である007などの映画達が姿形を変えて次々と登場しました。まぁ、詳しくは知らないんですけど…。とにかく、主人公コブの「恐怖心」がひとつの見所になっていましたよね。そして、この『スカイフォール』においても「恐怖心」というテーマが印象的でした。幼くして両親を亡くしたことによってボンドが抱えている感情。そのボンドの鏡像ともいえるシルヴァという存在/また、シルヴァの持つMへの感情。そして、意味深な台詞/表情の多いMのボンドへの感情。その全ての感情は劇中で明確には描かれていませんが、ぜんぶきっと「恐怖心」からくる感情なんだと思います。

それら全ての感情がボンドの生まれ故郷である舞台スカイフォールに集まる展開は、恐怖心が舞台になる『インセプション』さながらだし、コモドオオトカゲwikiの言い伝えが面白い)が出てくるカジノの風景とかがどことなく『インセプション』してます。列車がドーンしてくるのも『インセプション』っぽいです。っていうか、その『インセプション』自体が007なくしては絶対につくられてないじゃん!っていう事実に「空が落ちてくる(ほら!また『インセプション』!ビルが落ちてくるよ!)」と言いたくなるほどの感動を味わわせてもらって、とてもとても幸せな気分になったのでありました。

と、あーだこーだ書きましたが、こういう裏読みな感じは007に似つかわしくない気もします。ですが、オープニングアクションで、ボンドが多分シリーズで初めて銃弾を被弾します。それも二発。多分、この二発には弔砲のような意味があって、ダニエル・クレイグによるボンドシリーズが単なるリブートではなく、007シリーズが死んでいた頃に一世を風靡したクリストファー・ノーラン作品を踏まえたうえでシリーズを「リザレクション=復活」させるといった実に英国紳士らしい宣言だったんじゃないかなと思いますね。それって素晴らしい!ハイ。というわけで、2012年度、マイベストワンの決まりです!アデル最高!おわり。