恋愛走馬灯『今日、キミに会えたら』

『今日、キミに会えたら』感想。

DVDスルー作品。原題は『LIKE CRAZY』。どうしようもないくらい気に入りましたね。でも、何をどう気に入ったのかってのかが言葉にしづらくって、スッキリしない感じも味わっています。こういう映画ありますよねぇ。

とりあえず「変化を伝えること」がとっても上手い映画でした。表情、衣装、早送りなどの映像表現、いろんな変化で登場人物の心情をパッと伝えてくれます。これがイイ。また、その変化を前置きにするなどして、ドラマを盛り立ててくるので、「うわ!してやられた!」ってな感じに陥る瞬間が何度もあります。本当に上手いです。ほぼ全員がアドリブという演技もお見事で、台詞の少なさとは裏腹な感情の振れ幅にいちいちドキッとさせられます。そんな役者陣でのイチオシは、またしても薄幸の1ページを刻んだジェニファー・ローレンスですね。もう、彼女の全てがアイミスユーです。

自業自得と言って切り捨ててしまえばそれまでのような気もしますが、お互いの変化を受け入れられないでいるラストシーンは切ないです。ここで、全編が回想シーンのようにフワッとしていたことが効いてきて、あの頃は良かったな的な回想が、まるで走馬灯のように見えちゃうんですね。この、「二人の思い出の変化」に受け入れ難い思いを味わわされて=二人と同じ心理にさせられて、映画は終わります。畳み掛ける「LIKE CRAZY」の文字…。というわけで、気丈だったジェニファー・ローレンスは、きっとこのあと自暴自棄になっちゃうんですよチャンスですよ…などということを考えてこの映画をそっと思い出にしまうのでありました。イヤだけど大好きな傑作。おわり。