歳末書きもらし映画いくつか

『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』感想。

DVDスルー。M・ナイト・シャマランの『サイン』(2002)に感銘を受けた主人公ジェイソン・シーゲル。彼は「自分に起きる出来事には何かに繋がるキーがある」と受け取ってしまう男。そのお兄ちゃん役に『ハングオーバー』(2009)のステュことエド・ヘルムズ。これは面白かったです。映画を見るってことは基本的には無駄なんだろうけど、その無駄にあるあてのない幸せって感じがよくでていました。今年のベストテンに入れた『僕の大切な人と、そのクソガキ』(2010)のデュプラス兄弟監督がサッと撮ってくれたささやかな映画。デュプラス兄弟、これからくるかな?あ、デュプラスってポケモンいたなと思ったらそれはラプラスでした。


ファミリー・ツリー』感想。

劇場鑑賞。とてもあたたかい気持ちにさせてもらえる映画。同級生に謝りにいくところで次女にsorryと「言わせる」。長女の彼氏に身の上話をきかされるもお気の毒にの意味でのsorryが「言えない」。もしかしたら、奥さんは「私も謝るから、あなたにも謝ってほしい」という気持ちだったんじゃないでしょうか。先に浮気をしたのはソッチとか浮気の原因はドッチとか、そういう揚げ足取りは意味がないですよね。死を受け止められない義父が後の祭り的なことばかり言うのが悲しい。家族のなかで妻の秘密を唯一知る長女の手助けを得ながら「妻に伝えるべきこと」を登場人物が消去法的に代弁していき、最後に浮気相手の奥さんがそれを言ってくれました。そうして、繋がれていく家族の風景に映画がとっても輝いていて心にしみましたね。


『ディスコード』感想。

DVDスルー。志村うしろー!でのスロー描写が後半の展開で真相が明かされたり、主人公の視線の先にある「何か」が怖いなーというお膳立てからオープニングシーンを思い出す意外なワンポイントもあるしで、容量いっぱいぎっしり楽しませてもらえました。一般的に知名度ないだろうからこれからまた見る機会があるかもですね。


『ヘッドハンター』感想。

自宅鑑賞。一体なんのつもりなのかわからない映画の様相を見守っていると、コトの真相よりも主人公の一面ってのがどんどん見えてきて、最後に涙ながらに語る心情が、あまりに小さくてあまりにピュアなもんだから応援せざるをえないっていうか今年イチバンの「オマエはオレだ」でありましたね。最後まで見るとハート型の穴から覗く主人公ロジャーが愛おしくて仕方ないです。ハリウッドリメイクも楽しみ。ところで、銃の扱いに腰抜かしてたりする素人アクションが目立ってましたが、背中の筋肉のせいでナイフが刺さらないっていう描写にはびっくりしました。えと、あれってそういうことだよね??