虎とトラベルする『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』感想。

一体全体どういう映画なのよ?という期待を胸一杯にして見に行きました。不慣れな3D吹替での鑑賞は、お話が頭に入ってこなくてツラかったですが、なんとなくわかったような気にはなれたのでヨシとします。面白かったです!

「円周率が無限であること」や「主人公を追体験させる」などのさまざまな仕掛けを用いて、終盤に嵐のように畳み掛けてくる映画で、「物語そのもの」が持つ可能性/神秘性みたいなことを語りかけてきておりました。が、この辺はよくわかりません。

ラスト。パイの胸の中にあった「宇宙」が語られ、それが小説家にとっての物語になっていきます。そして、そのコトを観客に伝えたこの映画は、それまで放っていた幻想的な彩りを失い、ジャングルの中へと消えていきます。それはつまり、真実が事実でもなければ事実が真実でもなかった「トラとの漂流」という話を映画が掬い取った瞬間であり、また、それを目の当たりにした観客であるボクにとって、この映画自体が「物語」になった瞬間なんですね。円周率のように無数に広がる「映画という名の宇宙への冒険」でありました。おわり。