アカデミー会員から5点満点続出『世界にひとつのプレイブック』

世界にひとつのプレイブック』感想。

アカデミー賞の演技部門すべてにノミネートされていることで話題の映画。生中継を観戦予定のアカデミー賞を楽しむため、そして、ジェニファー・ローレンスを愛でるために初日鑑賞してきました〜。面白かったです。ただ、大筋はとっても好きだけど、いまいち乗り切れない瞬間があったのも確か。登場人物の全員が個性豊かなのはいいんですけれど、それだけにティファニー(asジェニファー・ローレンス)を庇う両親とかがフクザツ過ぎて…。だって、あの両親ってば「21歳で未亡人になってしまった娘の過ちを受け入れつつ、寄ってくる男を追い払っている」っていう設定でしょ。そんなフクザツな背景を感じさせておいて、主として描くのはパット(asブラッドリー・クーパー)がティファニーを慮る様子ですよ。あと、ストーカー扱いされてた彼はなかなかいい奴だったっていうジョーク。この辺を笑い飛ばせる度量がボクにはちょっとなかったですね。真剣に見ちゃった。

それまでの過去作品は見てないんですけれど、ハリウッドに干されてから『ザ・ファイター』(2010)で返り咲いたデヴィッド・O・ラッセル監督が、躁鬱病の主人公ら登場人物すべてに何かしらの想いがあることはカメラワークのくっついて離れない/見守る感じによくでていたと思います。その寄り添ったカメラワークが、最後に二人がデキた瞬間にサーッと引いていく演出は素晴らしかったですね。もう大丈夫っていう屈託のなさが表現できているみたいな感じに思えましたよ。監督の異常な愛情またh(ry

”より高く“という言葉がたびたび登場し、それに向かっていくパットご一行を愛でる映画でありましたが、一番はやっぱりティファニー。うるうると涙を目に浮かべながら(ホントに浮かんでんのっ!)強がる彼女とダンス会場から逃げ出してしまう彼女に見え隠れする可憐。パットに対して「過去を受け入れなさい!」と言った彼女自身が「尽くしてばかりで見返りのない」自分のことを受け入れられないんですね。見事に”5点満点“を勝ち取ったご一行の中にティファニーが迎え入れられることで映画は幕を閉じます。登場人物それぞれがなるようになってしまった自己完結のお祭り騒ぎを共有できる素敵な映画体験でありました。余談になるけど、ジェニファー・ローレンスジュリア・スタイルズが姉妹ってのは物凄くよく分かる。ああいう顔立ちの関係の姉妹って、いるよね…!あと、パットは体育教師で奥さんは国語教師でしょ。そりゃーーまーねー。国語教師とソリ合うのは理系か社会。で、歴史と浮気でしょ。うんうん。ハイ。自己完結乙。おわり。