未確認飛行物体的なめっけもん『エンド・オブ・ザ・ワールド 地球最後の日、恋に落ちる』

エンド・オブ・ザ・ワールド 地球最後の日、恋に落ちる』感想。

DVDスルー作品。スペインの映画。『21ジャンプストリート』(2012)につづいてこれまた今年のベスト候補です。掛け値なしに気に入りました。見知らぬベッドで目覚めた男には昨日の記憶がない。部屋の外には見知らぬ美女がいる。もしかしてキミと何かあったのかい?いや、そんなことはないらしい。じゃあ、なんでここに??そんな思いを抱えながらふと窓から空を見てみるとバカでかい飛行物体。テレビやラジオで大パニックの様子が報道されている。おいおい、オレたちが寝ている間にとんでもないことになってたみたいだぜ……というのがあらすじ。

ダメ邦題は人にオススメするときめんどくさいっていう難点があるのでダメだと思いますが、原題『EXTRATERRESTRIAL』もいわゆる「ET=地球外生命体」というだけで味気ない。ただ、「地球外生命体=侵略者」という風に解釈すれば、女性の家に転がり込んだ主人公のことを「侵略者」とすることもできます。それでも味気ないけど。まぁ、タイトルはいいです。すんごく面白かったから!

「宇宙人」という舞台設定が面白いのは、すべてをリセットする破壊力があるからですよね。「何とかしないともう明日は来ないのかもしれない」という思いが世界中に広がるわけです。そんななかでこの映画は、濱田マリでおなじみのスペイン語で「また明日」を意味する「あしたまにあーな」を何度かセリフで登場させながら、世界のピンチから目を逸らし、あろうことかそのピンチに便乗して恋のチャンスをものにしよう!ってなことが繰り広げられます。ある者は最近うまくいってない恋人への信頼を勝ち取ろうとし、ある者は長年ストーカー気味に抱いてきた片想いを成就させようとします。また、ある者は恋人を追い出して新恋人に乗り換えようなんてことをするんですねぇ。この小市民なスケール感がボクにはとっても合いました。主演女優のミシェル・ジェネールという方もとっても素敵。カタカナでググると画像でてこないくらい無名なんですがまたお目にかかりたいものです。そして、映画で特に素晴らしいのは終盤におけるアイデア。それまでの展開と未確認飛行物体/地球外生命体という舞台設定が見事にハマっているうえにイイ意味で予想を裏切って斜め上から感動させてくる胸熱モノでありました。コレは拾い物!最高!おわり。