卒業シーズン関係ナシに見た映画いくつか

『シタデル CITADEL』感想。

DVDスルー作品。原題『Citadel』。なにこれ?どうなっちゃうの?って興味を引っ張ってってくれて面白かったです。中盤で描かれる盲目の少年が口にする「恐怖心についてのルール」をすんなりと受け入れられるのは、映画を見るコチラが「盲目的」になっているからですよね。画面にはっきりと映らないところで主人公の内面に変化が起きていたりもして、結構ハッとさせられる一品でありました。


『サイレント・ウェイ』感想。

DVDスルー作品。原題『Blind alley』。面白かったです。75分しかないのに冒頭10分近く主人公の姉ちゃん(asアナ・デ・アルマス)がクネクネ踊ってるだけという…(笑)しかし、このアナ・デ・アルマスというキューバ人の女優さんがめっちゃ綺麗です。レイチェル・リー・クックとレオノール・ワトリングを足して割ったイメージ。劇中で彼女が行う「賭け」が、ホントに大丈夫かよーってな感じなんですけれど、その発言を足掛かりにラストまで描いていたり、あと、左右対称や分割画面などの映像こねくり回しでカット割りを省エネしていたりで好きでした。


『エイリアン・バスターズ』感想。

DVDスルー作品。原題『The Watch』。主演にベン・スティラーヴィンス・ヴォーンジョナ・ヒルなど。ジョナ・ヒルがおバカでもメソメソでもない役を演じているのがmy観測的には珍しかったので、ちょっぴりさびしい気もしたけれど面白かったです。念入りに銃を撃ったり、何故かわからないタイミングで主人公の奥さんに色目使って笑わせてきたり、映画全体に愛嬌があって好きでした。


『キャビン』感想。

ネタバレ箝口令がしかれている話題作。原題『The Cabin in the Woods』。さいたまへ出向いて見てきました!さいこ〜!!面白すぎてたまんなかったです。っていうか、あんなにたくさんどうやって捕まえたんだよっ?!日本の女の子たちもスゲェな!アメリカの「定番」はなんとなくわかるけど、日本の「定番」なんて全然わからんわ!【ジャンル映画のキャビン支部】てな感じのアレして色んな映画のストーリーをクリアしていく映画つくってくれ!ボクの想像力ではあまり面白くできないから誰か頼む!と、まぁ、たいへん刺激的な映画でありました。っていうか、エレベーターの「チンッ」に漂うレンチン感がたまらない。あれやこれや盛っておいて最終的にレンチンで怒涛のクライマックスを演出するぜ!っていうワンクリックな贅沢さが現代的な見世物小屋映画ですね。最高!今後の需要も考えてベスト入り!


愛、アムール』感想。

さいたま二本目。初のミヒャエル・ハネケ劇場鑑賞となりました。原題『Amour』。ハネケ作品は片手におさまる程度しか見ていないんですけれど面白かったです〜!冒頭、扉を開けるけたたましい音で幕を開け、男たちがどかどかと部屋に入り込んでいきます。映画から老夫婦の共有スペースに「入る」感覚を味わわされるんですね。自宅療養というデリケートな空間を定点カメラの長回しを基調としながら「使えないヘルパーを主人公の肩越しから撮る=敵対心の共有」などの的確なカットがさまざまな感情を充満させていきます。なかでも、妻の尊厳を守るためなのかはたまた自分の行為を隠すためなのか?で揺れ動いている場面は凄いです。あの鳩も娘同様の演出だと思います。鳩を覆い隠したのはもう居ないのだけれどそれでも妻を/妻に“見せないため”じゃないですかね。他人禁制の空間だから。老いと死を分かつのも愛。最後に部屋に残った微かな幸せの記憶にたとえそれが認知症の始まりだったとしても解放感を味わえるイイ映画でありました。おわり。