母の日感皆無の映画いくつか

『ハートボール』感想。

DVDスルー。2009年製作。嫁に逃げられ娘に嫌われ落ちぶれまっしぐらの主人公ビリー(asサム・ロックウェル)に高校の女子バスケチームのコーチをしないか?という話が舞い込む。エマ・ロバーツルーニー・マーラもいる女子バスケチームだけど実力はまるでナシ。やる気もあまりナシ。ビリー自身も腹の底では「女子なんかにバスケは無理」なんて思っちゃってる。こりゃダメだってな感じがまるっと収まっていく微笑ましい映画でありました。口のきき方からなっちゃいない関係から、ヘマをして試合会場に入れないコーチのためにメンバー全員外で凍えながら指示をあおぐ「心の連携プレー」をつなぐ関係にまでステップアップしていく。本編で結ばれる絆が美しいほどエンドロールのNG集が楽しい。とっても面白かったです。


ジャッキー・コーガン』感想。

劇場鑑賞。オープニング、うらぶれたトンネルのような場所を歩く男にまるでノイズのようにオバマ大統領の演説が挟み込まれる。当然、歩く男にその演説は聞こえていません。観客だけがその相容れない主音と雑音を耳にし、そこに関係性を見出そうとするんですね。賭場荒らしを巡るギャングたちの様子には何かしら意味付けをしないとまるで面白味がない。主音だけじゃつまらない。かといって、雑音として流されるオバマやブッシュの演説もギャングたちにはまるで関係がないようにきこえる。そこで、「ブラッド・ピット」ですよ!終盤、疑わしきは悪と言わんばかりに事件を丸く収めたのちにバーで密会。この時点でもまだ「何なのこの映画?」ってな感じなんですが、ここでブラッド・ピットがテレビで喋るオバマ大統領にいきなり噛み付き!それまでずっと相容れなかった主音と雑音を一気に総括!この超越力こそは『ファイト・クラブ』(1999)でパンチマークを指さしてみせたタイラー・ダーデンあればこそだと言い張りたいですねぇ!ハイ。映画の演出と役者のキャリアを絶妙に交差させた逸品でありました。(たぶん違う!)


アイアンマン3』感想。

劇場鑑賞。『アベンジャーズ』(2012)の力関係の崩壊を受けてのシリーズというわけで結構ややこしい感じになってました。前2作では、アイアンマンこそが最強であり相対するは打倒アイアンマンな連中だったけれど、今回はアイアンマン自身の最強の座が既に揺らいだ上で物語が始まります。そこで、今一度トニー・スタークという男の内面を描く。腕にアイアンマン遠隔装置をバスんバスんと打ち込む(注射のように)。つまりロバート・ダウニー・Jrの実人生と重ね合わせる。ここら辺まではイイです。おかしいなと思ったのは敵です。NYにあれほどハイスペックな連中が地球に現れておきながら敵の目的は「世界征服」ですよ。オマエ、世界征服してもいいけど宇宙人から世界守れよ?!って話です。はじめのうちは科学者としての「私怨」みたいな風だったんで良かったんですけれど、葉っぱ研究の姉ちゃんが撃ち殺される辺りから脱線したというかスケールを間違えたというか。やっぱりアベンジャーズ後のアイアンマンと相対するなら、能力とかは何でもいいですがもう少しひねた思想の持ち主が良かったですねぇ。


死霊のはらわた』感想。

劇場鑑賞。「死者の書」には、5っの魂を喰らうと「彼」が現れると書いてありました。でも、映画のラスボスとして現れたのは死霊に取り憑かれた女性でした。えーとあの、最後の「イカすぜ」の「彼」がラスボスという解釈でよろしいでしょうか?なんか主人公が棚に背中ぶつけて水が落ちてくるって不自然に見えたんだけど。つまり、Evil Dead卒業生である彼が、小屋にやってきた彼女達に自傷行為(自分と似た行動)をするように仕向けた?みたいな。んーと、え?ラストのアレってもしかしてただのサービスショット?それともオリジナル全作に慣れ親しんでいる人にとっては常識的に解ること?んまぁ、ボクにはよくわかんなかった。とにかくチェーンソーで血ブシャー!おわり。