梅雨だく劇場鑑賞映画いくつか

『バレット』感想。

ジミー・ボノボ(asシルベスター・スタローン)の略歴を語る場面で、スタローンのこれまでの写真が映される。これが面白くって、(20歳)非行→収監→釈放→安定→再犯(60歳)という見事なラインナップ。今の顔が一番ワルそうというか手が付けられない感じなんですよねぇ。貫禄です。映画の物語は「ルールを曲げること」で盛り立てられています。利害の一致から殺し屋と刑事がタッグを組むも互いのルールが足を引っ張り合う。てか、やってることが裏稼業だから主に刑事サン・カンが足手まといになる。住む世界が違う者とうまく付き合いながらやっていく。まぁ、でも、オレの住む世界は腐ってもコッチだよといった所信表明な映画でありました。面白かった!


『箱入り息子の恋』感想。

「解釈の問題です」と言い張り「35歳独身、彼女いない歴35年」を「仕事熱心」とする。「まずは、気が合うかどうかで、私の障害との付き合い方は、その後かと」というセリフで盲目の女性と付き合うことへの「同情」を切り捨てる。設定で安易に泣かせようとしたり、奇異の目で愉しませようとしない真面目な映画です。派手なメイクの女はヤリマンだ、ゲームばかりする奴は女に興味がない、趣味がピアノの女性は清楚に違いない、そんな単純なイメージをひとつずつ取り払っていきます。上手に魚を食べる感じ。そして、そんな「普通」な登場人物たちに訪れたドラマチックな瞬間をして「映画」を感じさせてもらえる。寝室に忍び込んだりするのは『かえるの王子さま』と関係あるんかなぁ?面白かった!


クロユリ団地』感想。

同じような建物が並ぶ団地は「Jホラー」というジャンルそのものを表しているようです。その中でどんな違いを見せてくるのかといったところで、冒頭のカメラワークからして仕掛けをにおわせはするんですが、それはあくまで添え物。メインディッシュは、まずおなじみな感じの「怖い」展開があって、それを「なぜ怖い」というドラマにひねってくれるところでしたね。ただ、その変化ばかり描いてしまったせいか「いざ対決」となったとき、あまりにコチラ側に勝利要素がないもんだからどうすんだろーと思って見ていたらばこれでいいのだ的な大勝利。あ、そうか別に勝つ必要ないんだったってねぇ。おじさん夫婦の腫れ物に触るような距離の置き方が生々しい。面白かった!


エンド・オブ・ホワイトハウス』感想。

テロリズム全部盛り。エクストリームな絶体絶命モノ。殺られにいくの多すぎ早すぎで面白すぎな映画でありました。デスクワークに嫌気が差し、現場復帰を渇望する元・凄腕SPマイク・バニング(asジェラルド・バトラー)の眼前で白昼堂々ホワイトハウス襲撃テロ発生。待ってましたと言わんばかりにデスクワークを放り投げテロリストをやっつけにいくマイク。完全武装のテロリスト40名相手に1人スパルタ状態です。そんな孤軍奮闘描写も楽しめるんですが、一番アガるのは機関銃の場面。逃げ惑う民間人の土手っ腹が一瞬で赤く染まったり、ホワイトハウスがあっという間に蜂の巣になっていく。さらに、最新の対空兵器vs特殊部隊のヘリの対決。この対決を司令室からモニターで見る様子の手際がイイ。ドキドキさせてもらえました。夏に公開のローランド・エメリッヒ監督の『ホワイトハウス・ダウン』も楽しみ。面白かった!おわり