[撮ってみた]『クロニクル』

『クロニクル』感想。

待ち焦がれた超能力系話題作。バッチリ初日に乗り込んできました〜!最高!パーフェクト!よくぞつくってくれました!見たあとに爽快感しか残らないという充足を味わわせてもらえましたね。ひょんなことから念動力を手に入れてしまった高校生たちのその記録=Chronicleにまつわる物語。

ニコ動、ようつべ、ジャスティン・ビーバー。現代はさまざまな「発信力」に満たされています。だから、「記録すること」に大きな意味があるんですね。コレを書いとけばコレを残しておけば…。もしかして、後で何かあるんじゃないか?明確な意思を持たずとも記録さえしておけば、それが独り歩きしてやがて自分の足しになるんじゃないか?そんな不確定要素に満たされているように思います。

POVというジャンルは「登場人物が撮影している映像である」という特性ゆえに臨場感や胡散臭さが他の映画よりも強くなるものだと思います。良くも悪くも映像ひとつカット割りひとつに「誰々がどんな状況で撮影している」という付加価値が加わってしまうんですね。そこへきて『クロニクル』は撮影におけるWhy?の部分を念動力でクリアーし、超絶カッコいい映像を見せることに成功しています。これがまず最高。ありがとニクル。

終盤、それまで1人称であり続けた映像がさまざまな視点に移り変わります。病院やビルの監視カメラ、報道ヘリのテレビカメラ、たまたま居合わせた野次馬カメラ…。念動力同士で壁がドーン!!!!!!という映画的スゲー瞬間でさえそれは目まぐるしく変わっていきます。ここにある「とりあえず撮ってます」感。その未知数の発信力にある未体験のパニック感。映像の1カット1カットに「それを撮っている/見ている」大なり小なりの“頂点捕食者″が存在としてスクリーンに浮かび上がるんですね。

劇中でたびたび言われる「適当に撮ってるだけだよ」というセリフに潜むとりあえず今は撮っとけみたいなUFO感。そして、そのキャラクター性にあるとりあえずこの墓参り撮っとけば後で同情しt(ryうわ何だよオレに構うなよといったUMA感。それらに対する世間からの「空を飛んだら撃つぞ!」なるセリフにはオカシすぎて脳が炎上しました。映画は、そういった人間模様を記録した大傑作です。少なくとももう1回、出来ればもう2クロニクルは見たいっ!最高!!おわり