あなたといた私『アナと雪の女王』

アナと雪の女王』感想。

レリゴーとしか書きようがないんですけれど、どうもこの“レリゴー”という文字面はいかつくて好きになれない。あの歌への好き度を表現するに適していない。それでもあの歌は間違いなく淀みなく「レリゴー」であると、己の聴力もとい英語力を呪う自分に嫌気が差す今日この頃、1週遅れでレリゴーしてきました。

籠の中の小鳥状態だったアナ(asクリスティン・ベル)が、次々と扉を開けていくさまの清々しさ、カーテンにくるまって浮かべるおませな表情、チョコを頬張りお調子に乗る姿、1曲の表現の豊かさハンパないです。幼少期に歌う雪だるまをつくろうの「okay bye……」もやばい。そこからあっという間に「3年後」になる手際のさりげなさに一気に惹き付けられました。

戴冠式?僕には関係ないもん」道行く少年でさえ単なる“状況説明”で終わらせず、そこに“現代”を宿らせる。この温もりとしたたかさ。夏を夢見るオラフ(asジョシュ・ギャッド)の存在は「まだ見ぬ世界にときめくこと」を囁いてくれる。その希望的観測の美しさ。型にはまることを避けながらもそれを否定するようなことは決してしない。何故ならその「型」があったからこそ「今」があるし、ひいてはこの映画がある。それはそして主人公2人の関係性をも形づくる。優雅で芯の通った気高さに感極まりっぱなしでした。

エルサ(asイディナ・メンゼル)には氷を溶かす力は無かったが、アナのことをきいて本当に「独り」を感じたとき吹雪は止み雪はその場に凍り付いた。相手を想う真実の愛が魔法自体に“コントロールする術”を宿らせたんですね。そして、エルサに距離を置かれてからというもの自己防衛の冗談半分でしか人と触れ合えなくなっていたアナが、エルサに対し見せる真心の行動。これもまた真実の愛だということでダブルヒロインのクライマックス2本立てです。初めて一緒に笑ったのはあなたで初めて傷つけた/傷つけられたひともあなた。恋愛はまだこれからだけれど恋より先に愛は見付けましたという素晴らしすぎる大傑作でありました。「初めて映画館で泣いたのはアナと雪の女王!」なんてことになる少年少女がいるのだろうか。その子とその子の親御さんがメガ羨ましい…。いつまでもひたっていたいfor the firsttime in forever〜♪ちょっと、かけがえのないものを見ちゃった感あります。ひとつ好きなシーンを挙げるとすれば“オラフの鼻にすぼむ花”とアイデアで言うなら雪雲ですかね。オラフ祭り。ハイ。もう2回は劇場へ見に行きたい!絶対に!超・最高!おわり