2014年上半期と7月のベスト映画いくつか

1ヶ月遅れになりましたが上半期ベスト10です。7月も入れちゃいます。2014年の上半期はとにかくレリゴーでした。レリゴーレリゴー。あの歌を聞かない日がありませんよね。ホワイトデーに映画が公開されてからまず熱心なファンの評価を集めた時点では、アカデミー賞後の公開だったし、まぁそれなりにヒットするディズニー映画かなーという感じでしたが、春休みに入るやいなや、あっという間に日本中がレリゴーレリゴー。とんでもないことになりました。

有線やカラオケで「Let it go」を聴くのは当たり前。結婚式場でもガンガン流れる。雪だるまつくろう〜♪の物真似をする子どもを撮影したものがfacebookに上げられもする。「アナ雪見た?」ではなくて「何回見た?」が会話のデフォ。いやはや、これほどまでヒットを肌で感じた映画は今までありませんね。

一方で「みんなで歌おうバージョン」なる変則上映が盛大にスベッたりもして(個人的観測)、上から読んでもアナ雪、下から読んでもアナ雪な上半期だったと思います。ハイ。というわけで、そんな中で見た映画ベスト10です。レリゴー!


2014年1月〜7月ベスト10

01.『アメイジングスパイダーマン2
02.『GODZILLA ゴジラ
03.『アナと雪の女王
04.『プリズナーズ
05.『her/世界でひとつの彼女
06.『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
07.『ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!』
08.『スノーピアサー』
09.『渇き。』
10.『麦子さんと』

上位3本が別格で4位以下は少しも寒くないわといった感じ。では、10位から1本ずつ振り返りましょう。



10.『麦子さんと』

今年の劇場鑑賞1本目の映画。吉田恵輔監督作品のなかでいちばん好きな映画になりました。なんといっても聖子ちゃんの「赤いスイートピー」が流れるとこでブワーーーッと泣けるのが最高。歩みを進める麦子さんを見てあたたかい気持ちにさせてもらえました。


09.『渇き。』

あまり本数見ちゃいませんが邦画のトップ。中島哲也監督の断片映像の繋ぎ方がまず魅力。CMディレクター畑出身の人だなと思わせてくる感じなんですが、そもそも、CMって宣伝だから対象の「いいところ」をテーマにつくるものじゃないですか。中島監督は『告白』[2009]以降、そこを逆手に取って登場人物を語ろうとしている。これからもずっと見続けたい監督さんですね。


08.『スノーピアサー』

ポン・ジュノ監督のハリウッドデビュー映画。一体どんなものなんだろうと期待感を持って見に行きましたね。死んだとされる世界のなかで繰り返される生と死。車両が変わるごとに見える世界がパッと変わる瞬間に産まれる生の物語と始まることで終わりを約束される死の物語。ティルダ・スウィントンが謎の怪演。


07.『ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!』

タイトル以上のことが起きているようで起きていない!「本物の友情」を以てつくられた映画。友情って簡単には切れないじゃないですか。ちょっと会わなくなって疎遠になったくらいで気まずくなるとかは、会えてたときそんときたまたま近くにいたから仲が良いように思えただけできっと友情ではないんですよ。でも、それが本物だったとき。もう全然形は違っているのに何か諦めきれないとき。そんなときに最後の最後まで付き合う物語です。


06.『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

コーエン兄弟最新作。ちょっと寄り道のつもりがあんまり心地いいんでつい朝まで、みたいな映画。毎回どんな映画を世に送りだしてくるかわかんないから好きですねコーエン兄弟


05.『her/世界でひとつの彼女

スパイク・ジョーンズ監督最新作。人付き合いについての映画。この映画の未来風景はかなりしっくりきますねぇ。謎のゲームやってるとことかたまんない。遠回りするお話だけど遠回りしたぶん達成感が違うというか。いい映画です。


04.『プリズナーズ

最新作『複製された男』が絶賛物議を醸し中のドゥニ・ヴィルヌーブ監督作品。登場人物のウラのウラを見させるような映像表現が好きです。似た監督としてM・ナイト・シャマランが思い浮かぶんですが、普通じゃ見えないものを見せようとするシャマランと違って、暗にその存在を感じさせる演出が得意な監督さんと思います。クライマックスのカーアクションで視界おぼろげなジェイク・ギレンホールにこれでもかと感情移入させられる。いい映画でした。


03.『アナと雪の女王

2014年上半期をかっさらっていった映画。全体で見ると字幕版のほうが集中できるんですけど、如何せん「生まれてはじめて」や「扉をあけて」の神田沙也加が最高なので甲乙付け難いですね。彼女は映画のヒットを受けて一時期バラエティー番組に引っ張りだこになっていたようで、ついさっきようつべで「生まれてはじめて」の歌声の素晴らしさに「親の七光りじゃない」と褒められて思わず涙する神田沙也加を見ちゃいました。最高です。どこにも出口のない日々が突然に変わったんですきっと。松たか子が世界から絶賛されてたけど各国のアナ役はどうなんだろう。クリステン・ベルもイイけど日本には神田沙也加がいるぞ。


02.『GODZILLA ゴジラ

ゴジラについてはもう書くことがありません。トランスフォーマーの日にもっかい見に行く予定。


01.『アメイジングスパイダーマン2

ヒーローかっけー!ヒーローになりてー!じゃなくて、ヒーローまじ大変だわー、ヒーローつらいわー、ヒーローがんばれ!って言いづらいわー、と思わせてくれるのが最高でした。オープニングの落下シーンでテーマ曲かかるともう感極まる。一難去ってまた一難の止めどないヒーロー成長譚。その一難ってのがこれまたどうしようもない。悪く言えばしょうもないもんで、そういう事と正対していかなきゃならないんだなと。人生うまくいくことのほうが少ない。ダメだったときのダメージは尋常じゃない。それでも、彼はスパイダーマンです。堂々1位。この牙城が崩されるとしたらそれはもう数年に一度の快感になるでしょうね。ハイ。


と、上半期はこんな感じでした。下半期の展望はまず来月の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。10月は毎年ちょっとペースが緩むイメージなんだけど今年は『ニンフォマニアック』2部作で持ちこたえ、秋になれば『エクスペンダブルズ3』『インターステラー』と無双状態。山崎貴なのが気になるけど『寄生獣』も楽しみ。年末は『ミュータントタートルズ』と『ホビット 決戦のゆくえ』で安泰っぽい。ンーーーー2014年はどんな一年になるのか。去年は上位の映画ほとんど下半期だったぞ。楽しみ。それではこのへんで。(おわり)