花粉症には無縁な今日この頃で映画いくつか

フォックスキャッチャー』感想。

「ブラッドスポーツ」と呼ばれるものを触りだけでも知ろうと検索したところ、見渡す限りのジャン=クロード・ヴァンダムが観測されたためソッと戻るボタンを押すに至ったので、タイトルの意味するところをよく理解できてないんですけれど、オープニングシーンでチャニング・テイタムの練習場面にただよう侘しさに心掴まれ、そのままこの事件を目撃することになりました。映画において「目撃」というと、視点によるところが大きくて、それは「臨場感」が肝になってくると思うんだけど、この映画の場合、「なに考えてんだかわからない男」スティーブ・カレル、「いつ何をしでかすかわからない男」チャニング・テイタム、「何もかも丸く収めようとする男」マーク・ラファロの3名による、そりゃあ、ンなトライアングルは無理だろうよという《居心地の悪さ》でもって「臨場感」が表現されていて、それは主にマーク・ラファロがヘリでやってくるときのシーンから幕開けしていて、極めつけはラファロがカレルを説得する様子をテイタム側から扉越しに映したカットだと思う。一線を越えないカメラワークで物語を紡いでいって最後に一線を越える。ベネット・ミラー監督は一貫して実在した人物の映画化を続けているけど、なんかこだわりでもあるんだろうか。次回作も楽しみです。


『きっと、星のせいじゃない』感想。

今年の暫定ベスト。自身のことを患っている病気のことを加えてユーモア交じりに自己紹介するオープニングから「あ、このコ好きだわ〜」と思わせてもらえて、その後から「あ、コイツ好き」「コイツも」「あ、このひとも良いなぁ」と、イイ人たちのオンパレード!ガンを患った若者同士の恋物語って、悲しい文字列なんだけど、見ていて「青春」を感じさせてくれるのがイイなと思う。儚くて。あと、「自分」の窓口の受付、もしくは相手をリトマス試験紙にかける行為として「女の子が男の子に本を貸す」ってケースはなかなか見たことがなかったなぁ。じわじわ惹かれ合っていく様子は当然楽しいし、それが「Okay」で結実して「Okay」という同じ言葉で急展開していくのもオシャレ。笑顔になりながら泣ける、素敵な映画でした!おわり