あるスコーピオンの覚え書き『ゾディアック』

監督デヴィッド・フィンチャー。2007年の映画。新年一発目がこの作品とかいってハマりかけてるね。ブログ更新に。欲求だけは一人前という。だからわかりますよ、劇中の彼らの気持ちが。男のフレーバー満載の傑作です。

「あの事件を完全再現してやる」といったフィンチャー監督の狂気を可視化したような作風で、まあ、とにかくすごい情報量です。1度や2度見た程度じゃとても頭に入ってこないですね。けど、そのぶん再現度には尋常じゃないものがあると思うので、もし、事件のことが気になってサクッとその世界に浸りたいなあなんて思ったら本作を見るのが得策ではないかと思います。まあ、ぼくは事件自体をリアルタイムでは知らないし、この映画以外で事件に触れたこともないんですけどね。

そんなぼくが一体この映画の何に惹かれたのかというと、犯人と思われる者の手紙にあった「おれの映画の公開が楽しみだ」という台詞。あれきいた瞬間ぶわーっと頭に何かが湧き上がってきて興奮バロメーター振り切れ寸前!思わず画面に向かって「ちょ、オマ、オマエいいなあ!」と絶叫してしまいましたよ。不謹慎なこと言うようですが、自分をモデルにした人物がスクリーン上でアクション・サスペンスを繰り広げるだなんて物凄い感動ですよね!果たしてゾディアックは『ダーティハリー』を見に劇場へ駆けつけたのか・・・うーん、わくわくしますねえ。

というわけで、もっと作品について言及するべきかもしれませんが、今月半ばの『ソーシャル・ネットワーク』公開前にフィンチャー作品見返しとくかーくらいの気持ちで見返した本作。たいへん気に入りました。超惚れ直しました。あの台詞良かったよ!ということを書き留めておきたかっただけなので終わります。まあ、タイトル通りだし上出来でしょう。ふへへ。そいじゃまた。