ハイスクール・ミュータント『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』

基本的にこのシリーズはアクションシーンがあんまり面白くないので、とにかく派手なモノ見せてくれって期待をしてたんですけど、風だのテレポだの光線だの変身だの、どれも今までに見たことある能力ばかりでその期待はおじゃんに。唯一、ボスキャラの吸収能力には「お!」と思わせてもらえたんですが、ちょいちょい見せてはくれるものの、主要人物との対決では使われないので肩透かし。では肝心の物語はといえば、人気シリーズの前日譚なのですが、開始15分くらいで付いていく気を失うフェードアウトモノでありました・・・。

米ソがどうしたとか非常にスケールのデカい事態に陥っていくので、終始重苦しいカンジがあったりする割にはどこかユルめなテンションだなと思いました。それは「仲間」との出会いに喜ぶ学園風味な場面に顕著ではありますが、個人的にはずうーっとあのテンションから始まってるように思えて、ホントは大したことない問題を台詞とか音楽とかでハッタリきかせて雰囲気カーニバル、みたいな。それが上手いとも思えるんですが、どうもコレは悪いほうに働いてるように思いました。まあ、要はどうせなら子供の頃からの話で映画一本つくればいいのに、ということです。

この映画がすごーく面白かった部分って、主要人物であるプロフェッサーX、ミスティーク、そしてマグニートーーらの幼年期の場面だと思うんです。1作目の完コピらしいマグニーくんの母を殺される場面*1、チビフェッサーXとミス子ちゃんの胸きゅんな出会い場面。冒頭何分かの「こうして彼ら彼女たちの物語は始まった感」には相当盛り上がりました。でも、次に画面に映るのが大人になった彼らの姿で、大人なのに能力に対する葛藤だとか世界との向き合い方だとかは、どうも冒頭に映っていた幼年期の頃と同じものを抱えているように見えるんです。え?二人が出会ってから何もなかったの?って・・・。「前日譚」って、その物語のはじまりを多少読めるのは仕方ないにしても1から1億まで余すところなく見せるべきだと思うんで、ちょっとこの飛ばし方はいただけなかったです。しかも、この映画の登場によって、個人的にかなり見たくなった「幼年期の彼らの物語」の映画化は相当むずかしくなってしまいました。マシュー・ヴォーンめ、もし会ったらケツ蹴り上げてやる。

というわけなのでした。下らない文句たれるためだけのエントリアップは嫌なので好きなキャラについて。もうね、これはね、ミスティーク一択でしょうがね!【理由その1】ああん!チャールズ!あなたってばどうして「キミはそのままでいいんだよ」とか言ってくれないわけ!?どうして!?ねえどうして!?【理由その2】わーいわーい!今日からあなたは何がしであなたは何がしね!あ!チャールズ!あなたは今日からプロフェッサーXなの!どう!?え!?そ、そんな。ミス子。しょんぼりっく。以上2点の萌え要素はどストライクでありました。青くたっていいよんだよミス子ああミス子。おしまい。

*1:全作劇場鑑賞してますが、まるまる覚えておりません。